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ARMの10nmチップ、2016年末にもスマホに搭載かテープアウトは完了(1/2 ページ)

ARMは2016年1月に、TSMCの10nm FinFETプロセス向けにSoC(System on Chip)のテストチップをテープアウトしたことを明らかにした。この10nm SoCは、2016年末までに携帯端末に搭載される予定だという。同プロセス技術は、比較的コストが高いが、低消費電力化に注力している。

» 2016年05月20日 15時30分 公開
[Jessica LipskyEE Times]

「Artemis」を搭載

 ARMのテストチップは、今後発表予定の次世代コア「Artemis」を4個搭載するという。動作周波数は2.8GHzで、GPU(Graphics Processing Unit)やメモリサブシステムを搭載するが、どのメーカーの製品なのかは不明だ。ARMは、「TSMCの10nmプロセス技術は、性能を最大限に高めることよりも、消費電力量の低減に注力しているという点で、旧世代技術とは異なっている」と述べる。

テストチップのアーキテクチャ 出典:ARM

 10nm SoCは、TSMCの16nm FF+プロセスを適用したCPUコア「Cortex-A72」と比べると、同じ動作周波数で動作させた時に、オーバードライブの使い方に応じて0.7%、11%、12%の性能向上を実現するという。ARMはオーバードライブの名目電圧を+100mVに定義している。10nm SoCでは最終的に、旧世代の品種に対して30%の低消費電力化を実現できる見込みだという。

10nm FinFETプロセスのテストチップにおける、消費電力対性能のデータ。青が10nmプロセスで、赤が16nmプロセス 出典:ARM

 ARMのテストチップに関するコメント内容から、Artemisコアそのものは、主に低消費電力化と小型化の実現に注力した製品であることが分かる。

 ARMの物理設計グループでマーケティング担当バイスプレジデントを務めるRon Moore氏は、「Artemisは、小型コアであるため、リーク電流の面で構造上のメリットがある他、高い動作周波数や省電力化、小型化なども実現できる。既存のCortex-A72とほぼ同等の性能レベルを達成できる見込みだ」と述べている。

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