リニアテクノロジーは「ワイヤレスジャパン2016」で、無線ネットワーク技術「dust networks(ダスト・ネットワークス)」の採用事例などを展示した。また、巨大な無線センサーネットワークの構築を可能とする「ネットワークマネージャ」についてもその概要を紹介した。
リニアテクノロジーは「ワイヤレスジャパン2016」(2016年5月25〜27日、東京ビッグサイト)で、無線ネットワーク技術「dust networks(ダスト・ネットワークス)」の採用事例などを展示した。また、2016年7月に正式版の発表を予定しているネットワークマネージャ「VManager」についてもその概要を紹介した。
ダスト・ネットワークスは、IEEE802.15.4準拠の物理層を用い2.4GHz帯を使用するセンサーネットワーク向け無線技術である。TSCH(TimeSlotted Channel Hopping)方式による正確な時刻同期機能などによって、通信の高い信頼性を確保できるという。また、予定されたタイムスケジュールでデータの送受信を行うため、端末の稼働時間を最小限に抑えることができ、電池で駆動するセンサー端末の長期間使用を可能とする。「一般的なセンサーネットワークの端末は、無線部が常に待機している状態であり、それに比べると消費電力は千分の一。ボタン電池で10年間動作するセンサーネットワーク端末を視野に入れている」と同社は説明する。
同社展示ブースでは、現在ベータ版として複数ユーザーに提供し、評価が行われている「VManager」を紹介した。サーバに搭載することで、アクセスポイントを経由して大量に存在するセンサー端末を正しく管理することができるネットワークマネージャである。
従来はアクセスポイントとなるゲートウェイ装置1台で100個のセンサー端末を接続/管理することができた。そのデータをPLC装置に送信したり、上位コンピュータに送信したりしていた。今回は、アクセスポイント自体で300個のセンサー端末を接続/管理することができるうえ、VManagerは無数のアクセスポイントを一括して管理することが可能となった。もちろん、既存のセンサー端末とは100%互換性を備えている。
担当者によれば、「VManagerのベータ版では、数千台の装置/センサー端末を接続/管理することができる。正式版ではアクセスポイントの設置場所が離れている場合、チャネル周波数を再利用することができるため、50万台の装置/センサー端末を接続/管理し、地球規模でデータを収集することも可能になる」という。現在は、世界規模で事業を展開する海運事業者や石油精製事業者などに提案している。
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