Micron Technologyが人員削減を行うことを明らかにした。DRAMの価格が19カ月連続で減少するなど、メモリ市場で苦しい状態が続いていることが主な要因だ。
Micron Technologyは2016年6月30日(米国時間)、コスト削減の取り組みの一環として、人員を削減することを明らかにした。メモリ市場の困難な状況を受けたものだが、具体的な人数については明らかにされていない。
Micronは、人員削減を含む幾つかの施策(詳細は不明)を行うことで、2017年度(2017年9月期)では四半期ごとに約8000万米ドルを削減することを見込んでいるという。
同社のCEO(最高経営責任者)であるMark Durcan氏は2016年6月30日の四半期決算報告後に行われたアナリストとのカンファレンスコールで、コスト削減は賢明な策であり、同社にとって最良の成果を長期的にもたらすと述べた。
Micronは、2016年6月2日を末日とする同年第3四半期の売上高が、アナリストの予想をわずかに下回る29億米ドルだったと報告した。同年前期比ではわずかな下落にとどまったものの、前年同期では25%の減少となった。
Micronによると、2016年第3四半期の損失は2億1500万米ドルで、前四半期の損失9700万米ドルからさらに増加したという。2015年第3四半期には4億9100万米ドルの利益を計上していた。
Durcan氏はカンファレンスコールの中で「われわれは厳しい市場環境をうまく切り抜け続けている。業界の長期的な健全性を確信し続けているし、競争力を高める戦略についても自信がある」と述べた。
半導体メモリ市場は1年以上、価格の下落を引き起こす供給過剰の状態から抜け出せずにいる。市場調査会社のTrendForceによると、DRAMの平均価格は19カ月連続で下落しているという。DRAMはMicronの収益の約60%を占めている。
TrendForceのDRAMeXchange部門でリサーチディレクターを務めるAvril Wu氏は、2016年6月半ばに発表した声明の中で、「現在あらゆるサプライヤーが、コスト面で多大な圧力を受けている」と述べた。Wu氏によると、サプライヤーが供給の増加をコントロールする計画を実施することから、DRAM価格は2017年には安定するとTrendForceは見込んでいるという。
Micronの2016年第3四半期のDRAM販売台数は連続して伸び、増加率は22%に達したものの、平均販売価格(ASP)が11%下落して、これに相殺される形となった。一方、不揮発メモリの出荷数は前四半期に続いて10%減少し、ASPも6%下落した。
Durcan氏は、DRAMとNAND型フラッシュメモリの価格を取り巻く状況は、いずれも改善する見込みであると述べた。
2016年第4四半期の売上高についてMicronは、アナリストの予測をわずかに下回る29億〜32億米ドルの間になると見込んでいる。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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