韓国の公正取引委員会が、Qualcommに対し、独占禁止法に抵触している疑いがあるとして、最大で1兆ウォン(約8億7500万米ドル)の罰金を勧告しているという。
The Korea Timesの報道によると、韓国公正取引委員会(KFTC:Korea Fair Trade Commission)がQualcommに対し、独占禁止法違反の疑いがあるとして、最大1兆ウォン(約8億7500万米ドル)の罰金を勧告しているという。
Qualcommは、この17カ月前となる2015年2月にも、中国当局との独禁法違反訴訟において、9億7500万米ドルの罰金支払いを命じられている。また、3G/4Gセルラー通信に不可欠な、Qualcommの幅広い特許ポートフォリオへのアクセスも許可することになった。
中国当局の調査が終了したころに、KFTCが調査を開始したようだ。
The Korea Timesは、KFTCの当局者の発言を引用しながら、「Qualcommのビジネスモデルは、過度に高いライセンス料を課している上、特許の使用に関する条件が不公平であるため、現在も物議を醸している。このため独占禁止法当局は、Qualcommが支配的地位を利用するのを阻止すべく、措置を講じる予定だ」と述べている。
最終的な罰金額については、Qualcommの反応を見てから決定するようだ。
Qualcommは以前から、「半導体チップの特許使用料は、半導体チップの価格ではなく、機器の価格を基準として算出する」と主張している。中国以外のライセンシー(ライセンス使用者)は、従来の特許使用料率に基づき支払いをしているが、中国はQualcommに対し、通常の特許使用料率を約3分の2に引き下げる判決を下している。
報道によると、KFTCの当局者は、「Qualcommは、携帯電話機メーカーに対し、モバイルデバイスの販売価格をベースに特許使用料を徴収してきた。しかしそうではなく、チップセットの価格をベースにすべきだ」と述べているという。
Qualcommは、Samsung ElectronicsやLG Electronicsなどの韓国メーカーから、1年間当たり約12億7000万米ドルの特許使用料を徴収しているという。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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