ムーアの法則、実質的には28nmが最後か:設計に最も使われているのは65nm以前(2/2 ページ)
50年にわたり続いてきたムーアの法則は、明らかに終わりを迎えつつあるといえるだろう。そして、半導体業界は今や、新たな現実に直面しているのだ。
Mentor Graphicsのブログ記事「Established Technology Nodes: The Most Popular Kid at the Dance(実績あるプロセス技術:最も人気が高い技術は)」も、以下の通り、同様の業界ダイナミクスを示している。
「65nm以前のプロセス技術は現在も、ウエハー製品全体の約43%、ウエハー工場の生産能力全体の48%に適用されている。さらに重要なのが、設計全体の約85%が、65nmプロセス以前の技術を適用しているという事実である。実績のあるプロセス技術がすぐに消滅することはあり得ないのだ。
65nm以前の実績あるプロセスが使われている割合は現在も高い(クリックで拡大) 出典:VLSI Research
これは、イノベーションの観点からは良いニュースだといえる。選択の多様性によって、3D NANDやFD-SOI(完全空乏型シリコン・オン・インシュレーター)、MEMSなどの新しいアイデアや技術がサポートされることになるためだ。これらの技術は、成長市場であるIoT(モノのインターネット)向けとしても期待されるものである。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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