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好調 アルプス電気の「これから3年」を聞く2015年度は過去最高業績を達成(2/4 ページ)

» 2016年09月07日 10時30分 公開
[竹本達哉EE Times Japan]

自動生産でシェア拡大中

EETJ スマホ向けでは、タクトスイッチ、フィルムセンサー型静電容量式タッチパネル、磁気/気圧/温度センサーなどを展開されている中で、特にカメラ向けアクチュエーターが好調です。

気賀氏 カメラ向けアクチュエーターは、数年前から本格的に強化してきた事業だ。

 アルプス電気は10年ほど前から、アクチュエーター以外に、イメージセンサーやレンズなどを含んだカメラモジュールビジネスを展開してきた。しかし、カメラモジュールの主役はイメージセンサーであり、そこに大きな価値があった。イメージセンサーなど社外から多くの部材を購入しなければならないビジネス形態では利益率は上がらなかった。

 そこで2012年あたりからビジネスモデルを改め、アクチュエーターに特化するようになった。

EETJ カメラ向けアクチュエーターでシェアを獲得できた要因は?

 これまでアクチュエーターのメーカーは、多くの人手を使った人海戦術で生産能力を確保してきた市場だった。それに対して、われわれは、アクチュエーターに特化を決めた時点から自動生産有りきで事業を立ち上げてきた。

 さまざまな自動生産に関わる試行錯誤を行い、2015年あたりから本格的な投資を実施し月産500万〜600万個対応の自動生産体制が整った。大手顧客は、それなりの供給能力を求める。そうした中で、自動生産を用い供給能力を備えたことがシェア獲得につながったと考えている。

EETJ 2017年3月期第1四半期における用途別売り上げ比率を教えてください。

気賀氏 二十数パーセントがスマホ向けだ。この比率は足元、若干だが下がっており、その分、車載向け売上高比率が上昇し、60%程度になった。

中国など、まだまだ成長余地

EETJ 今期、2017年3月期から3カ年の新しい中期経営計画をスタートされました。電子部品事業で3年後売上高5000億円の数値目標とともに、“脱スマホ”も掲げておられます。現行のスマホ向け売り上げ比率は高すぎるとお考えですか。

気賀氏 用途別売り上げ比率はビジネスの結果であり、良い悪いは考えていない。よく“スマホ偏重”といわれるが、現状の民生機器市場を見ると“偏重”は仕方ないと思っている。これまでの民生機器の機能、カメラやPC、それまでの携帯電話機、そしてゲーム機までをスマホが集約している。結果、スマホ偏重はやむを得ないわけだ。

 スマホの需要成長が鈍っていることは確かだが、今すぐに需要がなくなるわけではない。今中計の最終年度である2019年3月期に向けても、これまでよりは緩やかながら成長は続く。実際、2017年3月期第1四半期も、中国向けなどは伸びた。

 中国もスマホ市場全体でみれば、成長は減速し厳しいが、これまで低価格機種だけだった中国地場のスマホメーカーが中高級機種を手掛けるようになり、中高級機種向けの部品を展開するアルプス電気としての市場は広がりつつある状況だ。ここ数年、中国での拡販活動を強化してきたこともあり、中国スマホ市場向けの売り上げが伸びている。

アルプス電気の主要用途市場における成長イメージ (クリックで拡大) 出典:アルプス電気

 ただ、スマホ需要は、今中計以降の将来を見通せば、減少に転じる可能性があり、それに備えていく。備えの1つとして、現時点で柱の事業となっている車載向けビジネスを強化する。

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