Li二次電池の非破壊検査、磁気センサーを活用:センサエキスポジャパン2016
セイコーNPCは、2016年9月28〜30日に東京ビッグサイトで開催されている「センサエキスポジャパン2016」で、リチウムイオン二次電池の非破壊検査について参考展示を行った。
磁気センサーと同期検波IC (クリックで拡大) 出典:セイコーNPC
セイコーNPCは、2016年9月28〜30日に東京ビッグサイトで開催されている「センサエキスポジャパン2016」で、電磁材料研究所と共同で研究する、磁気アレイセンサーを用いたリチウムイオン(Li)二次電池の非破壊検査について参考展示を行った。
リチウムイオン電池に欠陥や破損がないかを検査するには、X線や超音波によるスキャンが一般的に行われている。セイコーNPCと電磁材料研究所の研究では、リチウムイオン二次電池の内部電流を磁気センサーで直接検出。外部電極が直接測定できなかった電流を、手間が掛からず短時間に検出できる。また、スキャンでは、検査前の音や振動によるノイズが影響することがあったが、その心配もないという。
同検査の構成は、電磁材料研究所の磁気センサー「GIGS」を2次元アレイ上に配置し、セイコーNPCが複数の同期検波回路をICに集積化したものとなっている。
同研究は、科学技術振興機構(JST)の研究成果最適展開支援プログラム「A-STEP」に採択されている。担当者は、「顧客の“したいこと”を実現する、当社のノイズ除去や温度補正などの技術を用いることで、早期の製品化を目指したい」と語った。
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