三菱電機の「しゃべり描きUI」は、2016年10月4〜7日に幕張メッセで開催されている「CEATEC JAPAN 2016」の「暮らしと家でつながるイノベーション部門」でグランプリを受賞した。
三菱電機は、2016年10月4〜7日に幕張メッセで開催されている「CEATEC JAPAN 2016」で、音声認識表示技術「しゃべり描きUI」を展示し、CEATEC AWARED 2016の「暮らしと家でつながるイノベーション部門」でグランプリを受賞した。
しゃべり描きUIとは、タブレット端末やスマートフォンの好きな場所を指で長押しし、話しながらなぞると、なぞった軌跡に話した言葉が表示される技術である。お絵かきや多言語翻訳などの機能を組み合わせた「しゃべり描きアプリ」も発表しており、背景に画像を表示する機能や、対面2画面表示機能などを搭載。これにより、手話や外国語ができなくても、聴覚障がい者や外国人とのコミュニケーションが可能という。
CEATEC JAPAN運営事務局は、グランプリ受賞の理由について「筆談を行うための有効な手段である。今までにない新しいUIの実現という点で、さまざまな応用展開や有効性が期待される。聴覚障がい者とのコミュニケーションツールとしての期待とともに、翻訳機能も併せたシステムなので、インバウンド需要にも適している」と語る。
しゃべり描きUIは、三菱電機のデザイナー8人が集まり、コミュニケーションの壁をUIの力で乗り越えることを目標にした自主研究プロジェクト「Design X」の成果である。
三菱電機デザイン研究所インタフェースデザイン部に所属し、しゃべり描きUI開発のリーダーを務める平井正人氏は、開発のきっかけについて、「耳の不自由なインターンの学生のインストラクターを2週間務めたこと。“うまくコミュニケーションできる方法はないか”という思いが、ずっとあった」と語る。
また、今回のグランプリ受賞については、「当社の展示として、前列にブースを設置してもらえたことでもうれしかったが(※しゃべり描きUIは、三菱電機ブースの1番目立つ位置に設置され、体験できるコーナーも多く用意されている)、最先端の技術が集まるCEATECで、グランプリをもらえたことは本当にうれしい」と語った。
しゃべり描きUIは、技術的には既に確立されており、どのような形で展開するかを検討中。早期の事業化を目指すとしている。ちなみに、インターンの学生は現在、三菱電機の社員として働いており、しゃべり描きUIの開発にも携わっているそうだ。
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