興味深いことに、GoogleのPixelを製造するのは台湾のHTCである。HTCは、Androidスマートフォンの製造メーカーとして他社をリードしていた。
AI(人工知能)技術を用いたアシスタント機能は、自動車やステレオ、スマートフォンなど向けの単一サービスとして展開していく可能性がある。AIアシスタントは、データセンター事業者のエコシステムと、深く綿密なつながりを生み出すことができる。
Googleは過去2年にわたり家電の製造を手掛けるメーカーと協業し、「Chromecast」をサポートしてきた。つい最近では、GoogleはAssistantにクライアントコードを組み込むことについての協議を始めた。
プレスイベントで取材したGoogleのエンジニアやプロダクトマネジャーは、そうした協議に誰が携わっているのか、コードのライセンス条件、サードパーティー製品が現れる時期といった点について詳細を述べることを避けた。一方で、彼らは、サーモスタット「Nest」や、スマートフォンで操作できるPhilips(フィリップス)の照明「Hue」といったホームオートメーション製品を挙げた。これらの製品はクラウドベースのAPIを介してHomeからのコマンドに応答する。
Google Assistantのエンジニアリング面を総括するScott Huffman氏は、Assistant向けのソフトウェア開発キット(SDK)を披露した。このSDKを用いると、開発者らはHomeからのコマンドに自動的に応答したり、デバイスを通じた会話に参加したりするためのソフトウェアを開発できる。SDKは2016年12月にさらなる詳細が明らかにされた後、2017年に発売される予定だ。
GoogleのCEOを務めるSundar Pichai氏によると、GoogleはAssistantで「あらゆる人に向けて個々に対応できる“パーソナルなGoogle”を構築する」こと目指すという。さらに同氏は「時代は“モバイルファースト”から“AIファースト”に進化しつつある」と述べた。
一方でPichai氏は、機械学習はまだ黎明(れいめい)期にあるとした上で、機械翻訳、音声のテキストへの変換や音声認識、画像認識といった分野の段階的な進歩について言及した。その上で、同氏は「いずれは、スイスドイツ語と標準ドイツ語の違いに気付けるようになるだろうし、感情すら捉えられるようになるだろう」と述べた。
Googleのイベントでは、同社がコアキャッシュを抽出するためにAppleを厳密に研究していることが明らかになった。
Googleのハードウェア部門のシニアバイスプレジデントで、現在Foster氏に直属するRick Osterloh氏は、「人々は生活において、デバイスと情緒的な強いつながりを持っている」と述べた。
さらにOsterloh氏は「ハードウェアとソフトウェアに注力するのにふさわしい時期だ。(中略)次の大きなイノベーションは、AIを中心に置くことによるハードウェアとソフトウェアの遮断で起こるだろう」と述べた。ちなみに、同氏は以前Motorola Mobilityを率いていた人物である。
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