磁性の80年と未来を見に、秋田県にかほ市に赴く:TDK歴史みらい館(2/2 ページ)
未来に関する展示では、2035年の生活を想定した磁性技術や製品が紹介されている。スマートハウスの展示では、独自のIC内蔵基板「SESUB」を用いた機器「未来タクト」のデモが体験できる。未来タクトは、加速度・ジャイロ・地磁気の3つのセンサーが組み込まれており、Bluetooth Low Energy(BLE)を通して機器の動きを検出する。検出した動きに応じて、照明や家電の制御が可能になる未来の生活をイメージしている。
未来タクト。 検出した動きに応じて、照明や家電の制御ができる未来の生活をイメージ(クリックで拡大)
また、東北大学金属材料研究所の所長である高梨弘毅氏が監修を行ったスピンエレクトロニクスの展示も行われている。スピンエレクトロニクスの基本原理である磁気回転効果を実証した「アインシュタイン=ド・ハースの実験」のデモなどを体験できる。
特別企画として、チームラボとコラボレーションした展示も常設されている。肉眼では見ることができない磁性を、「宇宙」「地球」「電子」の3つのモードで体験可能だ。触れるとさまざまな形に変化するため、子どもたちを中心ににぎわいをみせていた。
チームラボとのコラボ展示。触って楽しむ人が多くみられた (クリックで拡大)
歩いた道も変化するようになっている (クリックで拡大)
イベント登壇者ら (クリックで拡大)
2016年10月9日には、同館オープンを記念して秋田県内の高校生・大学生を対象としたイベントも開催。スピンエレクトロニクス展示の監修を務めた高梨弘毅氏をはじめ、チームラボ代表の猪子寿之氏、メディアアーティストで筑波大学の助教授を務める落合陽一氏、HEART CATCH代表の西村真里子氏が登壇して、パネルディスカッションを行った。
高梨氏は、「これまでに分かっていることを学ぶ勉強と研究は違う。どんなに小さな発見でも、世界で初めてになれる。これが、研究における最大の喜び」と、研究の魅力について高校生・大学生らに語った。
TDKによると、同館は展示だけでなく、若い人々への学習支援を行う活動拠点としていく。なお、開館時間は10時〜18時で、入館料は無料。休館日は月曜日(祝日除く)だ。
(取材協力:TDK)
- 「半導体メーカーとの連携不可欠」――TDK
TDKは、Qualcommとの合弁会社「RF360 Holdings Singapore(以下、RF360 Holdings)」を設立した背景について説明会を開催。同社社長の上釜健宏氏は、「半導体メーカーとの連携が不可欠」と語った。ただ、やはり合弁会社設立に対する疑問の声や懸念事項もあるようだ。
- 今後3〜5年もスマホ向けが村田製作所の好業績を支える
村田製作所はスマートフォンビジネスで強気の姿勢を崩していない。スマートフォン市場が成熟期に入りつつある中で、どのように成長を図っていくのか? 通信モジュール事業などを担当する同社取締役常務執行役員の中島規巨氏に聞いた。
- 好調 アルプス電気の「これから3年」を聞く
アルプス電気は2015年度、電子部品事業で売上高4340億円、営業利益407億円という過去最高業績を達成した。同社は、さらに今後3年で売上高5000億円、営業利益500億円以上へと引き上げる目標を掲げる。これまで業績を引っ張ってきたスマートフォン向け需要の成長に陰りが見え始めた中で、どういった成長戦略を描いているのか、同社役員に聞いた。
- 人と未来をつなぐ、TDKが6つの「IoX」を提案
TDKは、「CEATEC JAPAN 2016」で、「人と未来をつなぐ、Io“X”テクノロジー」をテーマに大きく6つの「IoX」と、薄型ユニモルフユニットなどIoXを支える最新のデバイス技術などを紹介した。
- TDK、2つの最新鋭生産拠点が完成
TDKは2016年10月6日、秋田地区で建設を進めてきた電子部品の製造棟と磁性材料の製造棟の2拠点がこのほど完成したと発表した。
- GE POL用いたパワーモジュール、効率10%向上へ
太陽誘電は、2016年10月4〜7日に幕張メッセで開催された「CEATEC JAPAN 2016」で、研究開発中のGE POL(Power OverLay)パッケージ技術を用いたパワーモジュールの展示を行った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.