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回路作成後でも出力電圧を変えられる電源管理ICET2016 レポート

リニアテクノロジーは、「Embedded Technology 2016(ET2016)」「IoT Technology 2016」(2016年11月16〜18日、パシフィコ横浜)で、回路を作成した後でも出力電圧を変更できるパワーシステムコントローラーICなどを展示した。

» 2016年11月21日 15時30分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]

回路を作った後でも出力電圧を変えられる

 リニアテクノロジーは、「Embedded Technology 2016(ET2016)」「IoT Technology 2016」(2016年11月16〜18日、パシフィコ横浜)で、「パワー・システム・マネジメント(PSM)コントローラーIC」や「サイレントスイッチャ」といった、同社“いちおし”の製品を展示した。

 PSMコントローラーICは、DC-DCコンバーターの出力電圧を、回路を作った後でも任意の値に変更できる点が特長だ。例えば5Vを、抵抗を追加することで3.3Vに変更するといったことが可能だ。さらに、電圧を電流をリアルタイムにモニタリングする機能を備えていて、「サーバや産業機器などにおいて予知保全に貢献する」と、リニアテクノロジーの説明員は話す。故障予知/予知保全は、特に海外においてニーズが高まっているという。また、エラーが起こると、どのチャンネルでどんなエラーが発生したのかというエラー情報が、PSMコントローラーICに搭載されているメモリに書きこまれるようになっている。それを見れば、故障解析が容易にできる。さらに、FPGAなど多電源のデバイス向けに、電源の立ち上がり/立ち下がりシーケンスをソフトウェアで設定できることも特長だ。

左=PSMコントローラーICとDC-DCコンバーターを搭載したデモボード。赤枠内がPSMコントローラーIC/中央=DC-DCコンバーターの出力電圧を変えるデモを行っていた。途中から右肩上がりに傾斜しているピンクの線(写真中央付近)が、出力を変えたチャンネルのもの/右=エラーが発生すると、エラーの内容が内蔵メモリに書き込まれる(クリックで拡大)

低EMIを実現した降圧レギュレーター

 サイレントスイッチャは、低ノイズを特長とする同期整流式の降圧レギュレーターだ。「レギュレーターを2つに分け、ノイズが発生するループをわざと2つ作り、フィールドが逆になるようにすることで磁界ループをキャンセルする仕組み」(リニアテクノロジー説明員)だという。これにより、CISPR25 Class 5のテストも余裕を持って合格できるレベルの低EMIを実現できたという。現在の主な用途は車載向けだが、将来的には医療向けにも展開していきたいとしている。

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