パナソニックは、非接触の肌センシング技術を用いた魔法の鏡「スノービューティミラー」と、貼るファンデーションを実現する「メイクアップシート」について技術セミナーを開催した。
パナソニックは2016年12月、非接触の肌センシングとメイクアップシート技術に関するセミナーを開催した。非接触の肌センシングで実現するのは、「なりたい私」に向けてサポートしてくれる魔法の鏡「スノービューティミラー」である。魔法の鏡では、同社独自の非接触センシング技術により、しみや毛穴などの肌状態を測定可能だ。鏡から光を照射し、肌表面/表面化の状態により異なる光の反射吸収の違いから肌の状態を検出。一般的には紫外線が用いられるが、可視光を活用しているため安全である。
これにより、家の鏡でいつでも、簡単に肌の状態を確認できるようになる。履歴管理を行い、測定結果からスキンケアのアドバイスを行うなどの用途も検討されている。
他にも、アドバイスを行うだけでなく、メイクのシミュレーション結果をスノービューティミラー上に表示する「バーチャルメイク」がある。バーチャルメイクは、テレビ事業で培った画像の並列処理により、顔の動きに追従するリアルタイム処理を実現。説明員によると、20フレーム/秒で画像処理が行われているようだ。
パナソニック全社CTO室の技術戦略部事業創出推進2課で課長を務める川口さち子氏は、「家の中で鏡は、女性だと1日に7〜8回見るのではないだろうか。生活導線を変えずに、体内を“見える化”し、さらに改善できたらと思ったのがきっかけ」と語る。
同社がもう1つ提案するのは「CEATEC Japan 2016」(2016年10月4〜7日/幕張メッセ)で話題となったメイクアップシートである。メイクアップシートは、スノービューティミラーで行う肌センシングによって“しみ”を自動抽出し、一人一人のサイズや色にあったシートを印刷する。ファンデーションを塗るのではなく、「貼るだけで肌の気になる部分をなかったことにする新しい形」(川口氏)とする。
高精細な印刷の実現には、同社の有機EL技術が活用されている。手術などで用いられている約百ナノメートルのフィルム上に、化粧品顔料のインクを塗布して印刷を行っている。水を吹きかけることで、シートの付け外しが可能だ。印刷に用いられるプリンタやインクなどは、同社が独自に開発を行っている。
川口氏は、「基礎技術はできたが、化粧品はメーカーによって安全性の検証も違うため、事業化は検討中である。2020年ごろを実用化の目標にしたい」と語る。
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