ロームとラピスセミコンダクタは、車載用途の高精細液晶パネルを駆動するためのチップセットを開発し、量産を始める。このチップセットは自動車用スピードメーターやサイドミラーに用いる液晶パネルに適用できるよう、「機能安全に対応した世界初の液晶パネル向けデバイス」と同社は主張する。
ロームとラピスセミコンダクタは2017年1月、車載用途の高精細液晶パネルを駆動するためのチップセットを開発し、量産を始めると発表した。自動車のスピードメーターやサイドミラーに用いる液晶パネルに適用できるよう、機能安全に対応した製品となる。
開発したチップセットは、解像度がHD(1280×720画素)、フルHD(1920×1080画素)クラスの液晶パネル向けにも対応可能な製品である。ゲートドライバーICやソースドライバーIC、タイミングコントローラICおよび、パワーマネジメントIC、ガンマ補正ICなどで構成される。
チップセットを構成する各ICには、想定される故障モードを互いに検出する機能が搭載されている。各ICの状態を常時確認し、情報を共有することで液晶パネルの不具合などを検出する仕組みにより、重大事故を未然に防止することが可能である。「世界で初めて液晶パネル向けデバイスに機能安全を導入することに成功した」と同社は主張する。
一例として車載用サイドミラーの事例を挙げる。サイドミラーの映像が安全と想定される画面で映像がフリーズした場合でも、画面がフリーズ状態にあることを検出する機能によって、運転者はサイドミラーの不具合に気づくことができるという。
パワーマネジメントICは、レジスタをダブルにすることで異常検出を行う。異常時の復帰用にはオートリフレッシュ機能を搭載しており、ノイズなどの影響に対して高い信頼性を実現できるという。
タイミングコントローラICは、フェール検出回路が組み込まれており、チップセットの動作検証が可能である。また、パワーマネジメントICの各出力設定は、IC内部のレジスタ値を書き換えることで変更することができる。
同チップセットは2016年11月よりサンプル出荷を始めている。サンプル価格(税別)は5000円である。
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