ロームは、「CEATEC JAPAN 2016」(2016年10月4〜7日/幕張メッセ)で、同社のセンサーやマイコンボードなどを活用した工場内設備のモニタリングデモ機「マシンヘルス」を展示した。
ロームは、2016年10月4〜7日に幕張メッセで開催された「CEATEC JAPAN 2016」で、工場内設備のモニタリングデモ機「マシンヘルス」を展示した。マシンヘルスは、機器に取り付けた11種類のセンサーノードで設備に関するデータを常時取得する。取得したデータは、ゲートウェイを通して、クラウド上に送信する仕組みである。クラウドに送られたデータは、どこからでも確認できるため、異常な数値を検出したときはすぐに対応可能だ。
展示では、ポンプ負荷検出と液面水量監視に関するデモが公開されていた。ポンプ負荷検出では、ポンプの振動が変化するとセンサーが変化を検出し、振動データを制御装置に送信。制御装置はアラートを発してポンプを停止し、シグナルタワーを点灯させる。その状態を検知したシグナルタワーセンサーや電流センサーも異常を発信する。
液面水量監視では、配管に取り付けたテラヘルツ液面センサーが、配管内の液体の有無を検出。同じく配管に取り付けた水量センサーが流量を測定している。
センサーノードには、同社が展開する無線通信規格「EnOcean」「Wi-SUN」に対応したセンサーを活用。EnOceanは、太陽光や振動によって発電するため、電池不要で動作できるといった特長を持つ。Wi-SUNは、920MHz帯を使用しているため、障害物の多い工場内でも干渉を受けることなく、300〜500mの通信が可能になるという。
また、マイコンには同社の子会社であるラピスセミコンダクタの16ビットマイコン「ML620Q504」を搭載したマイコンボード「Lazurite Basic」が活用されている。32kHzの水晶発振子を搭載しており、マイコンが動作していないときにスリープ動作をすることで、従来のマイコンボードより消費電力を低減できるといった特長を持つ。
ロームの担当者は、「IoTは、ビッグデータの取得はできるが、データを活用して何をしたらいいか分からないといった意見が多い。そのため、早く実験してみることが重要である。実験することで、多くの課題や新たな価値が見えてくるからである。当社は、“きっと10分でスタートできる”IoTキットを提供している。マシンヘルスのデモで展示しているように、各種センサーやセンサーシールド、マイコンボード、USBドングルなどだ。これらのIoTキットは、チップワンストップやザイコストア、RSオンラインといったWeb通販で1個から購入できる。ぜひ、IoTの導入フェーズの1歩として活用してほしい」と語る(関連記事:Wi-SUNのUSBドングルを製品化――ローム)。
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