ローム、車載向けハイレゾ音源対応プロセッサ : 車室内の音像をより正確に表現
ロームは、ハイレゾリューション(ハイレゾ)音源対応の車載オーディオ機器向けサウンドプロセッサ「BD34602FS-M」の量産を始めた。
ロームは2017年2月、ハイレゾリューション(ハイレゾ)音源対応の車載オーディオ機器向けサウンドプロセッサ「BD34602FS-M」の量産を始めたと発表した。
BD34602FS-Mの外観
BD34602FS-Mは、一般的にサンプリング周波数が96kHz以上、量子ビット数が24ビット以上の情報量を持つ「ハイレゾ音源」に対応した製品である。新製品は、音質を向上させる回路構成の採用や28項目の独自パラメーターを最適化するなど、独自の音質設計技術を導入している。
しかも、ひずみ率は0.0004%、フロアノイズは3.1μVrmsを達成するなど、車載オーディオ機器用サウンドプロセッサとして、業界最高クラスの特性を実現した。これらの技術によって、車室内における音源の位置や距離感など、音像をより正確に再現することが可能となる。
車載オーディオ機器におけるサウンドプロセッサの位置付け 出典:ローム
オーディオ信号処理の核となるオーディオ用SoCは、微細加工プロセスの採用などにより、取り扱うオーディオ信号はより小さくなっている。このため、相対的にフロアノイズが増加することとなり、SoCの後段に用いられるアナログボリューム回路では、低ノイズ化が求められている。
新製品は、中点バイアス回路のノイズを約20%抑制し、ボリューム回路で発生する低域ノイズを最大1/10とするなど大幅に低減した。さらにレイアウトの工夫で信号間の干渉を抑えることで、トランジェント特性を改善している。この結果、音像や解像度(音の明瞭度合い)をさらに向上させることができたという。
左は新製品と従来品のアナログボリューム回路の音質比較データ、右はボリューム回路のノイズ特性 出典:ローム
この他、ナビ音声やハンズフリー機能に必要となる音声割り込み機能(ミキシング機能)を搭載している。しかも、独自のアドバンストスイッチ技術を導入することで、この機能をオン/オフする時に生じていたポップノイズを低減している。
BD34602FS-Mの主な仕様 (クリックで拡大) 出典:ローム
BD34602FS-Mは、すでにサンプル出荷中でサンプル価格(税別)は2000円。2017年1月より月産10万個体制で量産を始めた。
ロームなど、SiC応用の次世代ガン治療器を開発へ
ロームは2016年11月22日、京都府立医科大学、福島SiC応用技研と次世代パワー半導体として注目されるSiCを活用したBNCTに必要な治療機器の研究開発を共同で実施すると発表した。
“後発・ローム”がパワーデバイスで成長できる理由
ロームはパワーMOSFETやIGBTなどのパワーデバイス分野で売り上げ規模を拡大させている。パワーデバイス市場では、後発のローム。なぜ、後発ながら、自動車や産業機器などの領域でビジネスを獲得できているのか。ローム役員に聞いた。
SiC技術、成熟期はすぐそこに――ローム
パワー半導体の展示会「PCIM Europe 2016」(2016年5月10〜12日、ドイツ・ニュルンベルク)で、ROHM SemiconductorはSiCパワーデバイスの製品群を展示した。コスト面ではシリコンに比べて不利なSiCだが、業界では6インチウエハーへの移行も始まっていて、低コスト化が進むと期待されている。
ローム、AEC-Q101に準拠した「業界最小」MOSFET
ロームは2016年9月、電装化が進む車載アプリケーションに向けて、AEC-Q101に準拠した「業界最小」クラスとなる3.3×3.3mmサイズのMOSFET「AG009DGQ3」を開発したと発表した。
5分で始めるセンサー評価、ロームが新製品を展示
ロームは、「Embedded Technology 2016」「IoT Technology 2016」(2016年11月16〜18日/パシフィコ横浜)で、容易にセンサーの評価が可能になるキットの新製品を展示した。
“10分でできるIoTの1歩”を、ロームがデモ展示
ロームは、「CEATEC JAPAN 2016」(2016年10月4〜7日/幕張メッセ)で、同社のセンサーやマイコンボードなどを活用した工場内設備のモニタリングデモ機「マシンヘルス」を展示した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.