Uberの自動運転車が横転する事故が発生した。数々の疑問が浮かんでくるが、それを解明するにはUber側が、事故当時のデータを、さらに開示するのを待つ必要があるだろう。
米国アリゾナ州において2017年3月24日(現地時間)、Uber Technologies(以下、Uber)の自動運転車が横転する事故が発生した。同社はこれを受け、同州テンペとペンシルベニア州ピッツバーグ、カリフォルニア州サンフランシスコで行っているパイロットプログラムにおいて、無人の自動運転車の使用を中断すると発表した。
報道によると、UberのSUVが街中の主要道路を走行していた時、前を走行していた一般車両が、左折する際に道を譲り損ね、2台が衝突してUberの車が横転したという。
Uberの広報担当者は、EE Timesの取材に対し、「今回の事故原因について、引き続き調査を進めていく。事故に遭った車両の後部座席に誰も乗っていなかったことは確認できている」と述べている。
同社がこれまでに正式に発表している内容は、以下の通りである。
テンペ警察の広報担当者であるJosie Montenegro氏は、Reuters(ロイター通信)の取材に対し、「今回の事故原因は、左に曲がろうとした一般車両が、Uber車に対して道を譲らなかったことにある。このため2台は衝突し、Uber車が横倒しになった」と述べている。
今のところ、これ以上の情報は得られていないが、Uber車には今回の事故の責任はないように思われる。
Vision Systems Intelligence(VSI)の設立者で主席アドバイザーを務めるPhil Magney氏は、「一見したところ、たまたま運転を誤った一般車両が、Uberのテスト車と衝突するという、不運な事故のようだ。Uberには明らかに落ち度はないが、完全な自動運転車を実現する上で、膨大な量のデータを収集する必要性が一段と高まることになる」と述べる。
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