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展示会:テクノフロンティア2017

高集積が強み、ダイアログが民生向けPMICを展示テクノフロンティア 2017

ダイアログ・セミコンダクターは「TECHNO-FRONTIER 2017(テクノフロンティア2017)」(2017年4月19〜21日、幕張メッセ)で、昇降圧レギュレーターやLDOレギュレーターを多数搭載した高集積PMIC(電源管理IC)などを展示した。

» 2017年04月26日 10時30分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]

2セルバッテリー向けPMIC

英国Dialog Semiconductorの日本法人ダイアログ・セミコンダクターでカントリーマネジャーを務める井口駿浩氏

 ダイアログ・セミコンダクター(以下、ダイアログ)は「TECHNO-FRONTIER 2017(テクノフロンティア2017)」で、高集積PMICを展示した。同社でカントリーマネジャーを務める井口駿浩氏は、ダイアログの製品について「省電力で、小型、高効率というのが共通のコンセプト。当社は特に、多数のレギュレーターやコントローラーを、消費電力は抑えたまま1チップに集積する技術に強みを持つ」と語る。

 ダイアログはもともと、スマートフォン向けの高集積PMICで実績を積んできたメーカーだ。井口氏は、「そこで蓄積された高集積PMIC技術を、カメラやプリンタなどの民生機器にも展開しようとしている」と説明する。

 一例として展示したのが、デジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラなど2セルバッテリーを搭載した機器向けのPMIC「DA6102」だ。降圧レギュレーターを2個、昇降圧レギューターを1個、常時オンのLDOを2個、大電流バックコントローラー1個を1チップに搭載した、6チャンネルの高集積PMICである。効率は最大で94%。外形寸法が2.975×3.375mmのWLCSPで提供される。高集積の技術と、最高3MHzの動作周波数により、ディスクリートICで構成した場合に比べて、基板のサイズを約50%低減できるという。

「DA6102」を搭載したボード。DA6102は、ダイアログが国内に持つ設計チームが開発した製品だ。

車載用PMICも高集積のトレンド

 ダイアログはここ2年ほど、車載市場にも力を入れている。「DA9063」は、車載インフォテインメントシステム向けのSoC(System on Chip)などに電源を供給するPMICだ。降圧レギュレーターを6個、LDOを11個、A-Dコンバーター、RTC(リアルタイムクロック)を搭載する。「車載向けのPMICでは、信頼性が高く設計が容易という点から、1チップ化の要求が高まっている。1チップに集積する技術を得意とするダイアログの強みを生かせる分野だ」(井口氏)

「DA9063」を搭載した基板(クリックで拡大)

インダクター不要のDC-DCコンバーターIC

 出力電流が最大10Aで、インダクター不要のDC-DCコンバーターIC「DA9313」も展示した。入力電圧範囲は5〜10V。デジタル一眼レフカメラなど2セルバッテリーを搭載する機器の用途に向ける。入力電圧を2分の1にして、2倍の電流を供給する。最大98%と、極めて高い変換効率を実現している。最大電力は50W。DA9313を2個使ってマスター/スレーブ構成にすれば、最大100Wの電力を供給できる。

「DA9313」を搭載した基板(クリックで拡大)
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