村田製作所は、「第6回 IoT/M2M展【春】」で、IoT(モノのインターネット)やM2M(Machine to Machine)を実現するための無線モジュールとその応用例をデモ展示した。
村田製作所は、「第6回 IoT/M2M展【春】」(2017年5月10〜12日、東京ビッグサイト)で、IoT(モノのインターネット)やM2M(Machine to Machine)を実現するための無線モジュールや電子部品のデモ展示を行った。
その1つが、スマートフォンやタブレット端末にある音楽を無線で飛ばし、スピーカーから音を鳴らすための「Wi-Fiオーディオソリューション」である。同社はMCUを内蔵したWi-Fi対応通信モジュール「Type-1GC」や同モジュールを搭載した評価ボード、ソフトウェア開発キットSDKなどを提供している。
ブースでは、タブレット端末とスピーカー、評価用ボードなどを用意した。「AirPlay」機能を備えた「iOS」デバイスを用いて、端末内にある楽曲をWi-Fi経由でストリーミングし、スピーカーで再生するデモを行った。「Bluetoothに比べてWi-Fiは帯域が広く、ハイレゾ音源であっても音域をカットすることなく、高音質のまま無線転送し再生できる」(説明員)のが特長だ。
もう1つは、「LPWA(Low Power Wide Area)とBLE(Bluetooth Low Energy)タグ連携ソリューション」のデモ展示である。同社はIoT向け無線通信ネットワーク技術「LPWA」の1つで、既に商用サービスを始めた無線通信システム「SIGFOX」対応の無線モジュールやBLE対応の無線モジュールおよび、関連するソフトウェアなどを組み合わせて提供している。
ブースでは、SIGFOXとBLE機能を搭載した「ゲートウェイ」と、BLE機能を搭載した小型形状の「タグ」を組み合わせ、「駐車場シェアサービス」や「荷物管理」「在宅管理システム」などへの応用例を紹介した。これらのシステムは、開発パートナーであるマイクロテクノロジーのIoTクラウドプラットフォーム「CUMoNoSU(クモノス)」と連携している。
駐車場シェアサービスの事例では、ある地域に散在する駐車場にそれぞれゲートウェイを設置する。タグを取り付けた車両が入庫すると、タグとゲートウェイが通信し、読み取ったデータをクラウド側に送信する仕組みだ。このため、「どこの駐車場」に「誰の車」が駐車したかをリアルタイムに管理できるという。
荷物管理への応用は、トラック配送などを行う物流サービスを視野に入れている。タグを取り付けた荷物を、トラックに装着したゲートウェイで管理することにより、「どの荷台」に「何の荷物」が格納されているかを把握することができる。物流経路の確認や誤配送の防止につながるとみている。
宅配サービスでの応用例は、最近話題となっている再配達問題などへの対応策として有効となる。例えば宅配業者と契約した一般消費者が、利用可能なタグを身に着け、自宅にゲートウェイを設置しておく。そうすれば、宅配業者は「どの家」に「誰が在宅」しているかを、PCなどの画面上から一目で確認することが可能となる。
同社はこれ以外にも、IoT市場に向けて通信やセキュリティ機能を集積した無線Smartモジュールなどを用意している。例えば、「Type-1LD」はWi-FiとBluetooth 4.1対応のコンボチップおよび、ARMの「Cortex-M4」コアのマイコンを1パッケージにモジュール化した製品である。このモジュールを活用することで、エアコンや電子レンジなどの家電製品などでも、無線機能を容易に追加することができるという。
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