村田製作所が米国の新興電源ICメーカーを買収:パワーモジュール事業を強化へ
村田製作所は米国の半導体メーカーであるArctic Sand Technologiesを2017年4月初めにも買収する。
村田製作所は2017年3月17日、米国の子会社であるPeregrine Semiconductorを通じて、米国の新興半導体メーカーArctic Sand Technologiesを買収すると発表した。買収は2017年4月初めにも完了する見込み。
Arctic Sand TechnologiesのLEDドライバー製品イメージ 出典:Arctic Sand Technologies
Arctic Sand Technologiesは2010年に、米マサチューセッツ工科大学(MIT)からスピンアウトし創業したファブレスの半導体メーカー。本社所在地は、米国マサチューセッツ州バーリントン。LEDバックライトコンバーターやマイコンやメモリ向けの降圧型レギュレーターといった電源ICを主に扱い、変換効率の高い電源ICを小型、薄型で実現する点に強みを持つ。2016年末時点の従業員数は26人。
村田製作所は今回の買収によりパワーモジュール事業の強化を図る。村田製作所の通信・センサ事業本部長兼エネルギー事業統括部長を務める中島規巨氏はリリースの中で「小電力パワー半導体技術と当社技術の融合により、小型、薄型、省電力が求められる成長市場において、顧客ニーズを満足する製品をいち早く提供する」とコメントしている。
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