SiCパワーデバイスについても、フルSiCモジュールを中心に展示した。ロームによれば、同社のSiC製品に対するここ数年の変化として、これまでは産業機器の用途がメインだったが、車載分野からの相談や引き合いが随分と増えてきたという。
例えばEV(電気自動車)用インバーターやオンボードチャージャー、オフボードチャージャーなどだ。背景には、EU各国でガソリン車やディーゼル車の販売を禁止しようとする動きが高まっていることがある。
ロームが展示したSiCモジュールの1つ。HE System ElectronicがロームのSiC素子を使って開発した、フルSiCモジュールの昇圧DC/DCコンバーターだ。左側のモジュールは放熱性を向上するために筒状にしてある。筒の中心に直接、水を流し、水冷できるようになっている(クリックで拡大)ロームの広報担当は、「SiCパワーデバイスに対する関心が高まり、当社への相談が多くなっているのは事実だが、(Siを使った)既存のパワーデバイスの開発にも注力していきたい」と話す。その取り組みの1つとして、ロームのドイツ法人であるROHM Semiconductorの敷地内に、パワーデバイスをテストする施設を作る予定だ。もともとは倉庫として使っていた建物を使い、数千ボルトなど高電圧のパワーデバイスもテストできるようにする。テスト施設は、早ければ2017年内にも完成する予定だ。
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HEV用SiCインバーター、体積は「世界最小」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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