IMECはOxRAM以外にも、埋め込み型ニューラルチップ向けハードウェアを開発したと発表した。現行機の約10倍となる、128個の記録用電極と32個の刺激電極を搭載する。同チップは現在動物実験中だが、現在の義肢よりも制御しやすく、触覚フィードバックを向上できるという。
同チップは、脳と義肢間で信号を数百ミリ秒で送信できる。人間の神経伝達と比べると遅いが、現在の義肢は数秒かかっていることを考えると大きな進歩と言えるだろう。
ただし、IMECがこれまでに作製したのはハードウェアのプロトタイプだけだ。ソフトウェアの最適化はまだ完了していないが、電極リードの数が増えたため、かなり大きな遅延時間(レイテンシ)が発生する可能性がある。
同プロジェクトは、米国防高等研究事業局(DARPA:Defense Advanced Research Projects Agency)の下で行われているUniversity of Floridaとの共同研究プログラムの一環として行われている。
IMECはさらに、脳と目の周りの神経信号をモニタリングすることで視線を追跡する眼鏡も披露した。同システムは現時点では、カメラベースの視線追跡と比べると精度が低いが、コストと消費電力を大きく削減できる可能性があるという。
【翻訳:青山麻由子、滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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