図2は、Galaxy S8+に活用されるプロセッサとDDRの混載パッケージを開封してチップを取り出し、顕微鏡で撮影した写真(型名部分のみ)と、分解によって割り出したチップ配置状況を図解したものである。なお、チップ配置状況は、取り出したパッケージ内のガラスエポキシ(ガラエポ)から割り出した。
こうした分析から、AppleがiPhone 7で使ったInFO技術にほぼ等しい技術が、Exynos8895でも使われていることが明確になった。1年前はTSMCしか実現できないと言われたInFOだが、既にSamsungの製品にも同じように使われているわけだ。さらにガラエポには切り込み形状もあり、パッケージ内には受動素子(コンデンサー)もメモリチップとの間に配置されている。図2の赤い部分が受動素子にあたる。
Galaxy S8+に搭載されるLPDDR4の容量は、公式の仕様では4Gバイトと発表されているが、ネット上では8Gバイトとの情報も存在している。実際のところはどうなのだろうか。
図3は左がGalaxy S7でのLPDDR4チップだ。
1Gバイトのメモリチップが4枚使われているので、4Gバイトの構成であった。しかしGalaxy S8+は従来のLPDDR4に比べて1.5倍の面積を持つ新DDRチップが4枚搭載されている。新DDRチップ(LPDDR4x)は、S7世代のLPDDR4チップとは同じプロセス技術ではなく、より微細なプロセスで製造されたメモリであることが確認できた。すなわちS8+に搭載されたメモリ容量はS7世代に比べ2倍の2Gバイトチップ×4枚=8Gバイトが搭載されているのだ。これは大きな変化が成されたと言える。
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