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ATEに必要な“共通項”をワンストップで提供 NINIWeek 2017

米国テキサス州オースチンで開催されたNational Instruments(NI)のプライベートイベント「NIWeek 2017」(2017年5月22〜25日)。基調講演では多数の新製品が発表された。その中の1つ、「ATE(自動テスト装置)基本コンフィギュレーション」は、NIの計測器を“ワン・ストップ・ショップ”で提供するための新しいサービスだ。

» 2017年05月26日 15時30分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]

装置設置の工数を削減する

 自動テスト装置(ATE:Automated Test Equipment)は、必要な計測機器さえあればいいというわけではない。ディスプレイや電源、治具、ケーブルなど、計測機器を組み合わせてATEを構築するための周辺機器が必ず必要になる。こういった必要な部品を全てそろえるというのが、実は大変な手間がかかるところなのだ。

 日本ナショナルインスツルメンツ(以下、日本NI)によると、ATEを構築する際、30〜40社に上るメーカーから部品を調達する場合も少なくないという。「しかも、いざシステムを構築する時になって、『ケーブルを1本買い忘れた』といったことも発生する」(日本NI)

 生産工場では、エンジニアが数日〜数カ月かけてATEを構築する場合もあるという。だが多くのエンジニアにとっては、できれば時間をかけたくない工程だろう。

 そこでNIが発表したのが、「ATE基本コンフィギュレーション」である。ATE基本コンフィギュレーションは、ラック、メカ部品、配電などを備えたプラットフォームだ。このプラットフォームに、必要な計測機器やディスプレイを入れたり、電源ケーブルを接続したりといった作業をNIが行う。それ以外の、例えばテストソフトウェアの開発やシステムのメンテナンス、製品のサポートなどを含むターンキーソリューションは、NIのパートナー各社(以下、NIパートナー)が提供することになる。つまり、「NIが用意するのは、ディスプレイや電源など、どのATEにも必要な“共通項”の部分だ」(日本NI)

「NIWeek 2017」で展示された「ATE基本コンフィギュレーション」。24Uラックと40Uラックの2種類がある(クリックで拡大)

 ATE基本コンフィギュレーションによって、ATEの枠組みをNIが作ることで、次のような利点があると同社は強調する。

 まず、何十社ものメーカーから部品を調達する必要がなくなる。「ATE基本コンフィギュレーションには、NIの600種類以上のPXI計測器を使える。ATEに必要な計測器を、NIからワン・ストップ・ショップで購入できるので、部品調達のために取引するベンダーが圧倒的に少なくて済む」(日本NI)

 海外の工場に全く同じ構成のATEを設置したい場合にも有利になる。海外に工場を持つメーカーは、海外でも国内工場と同じATEを使いたいというケースは多い。ただ、ATEを海外の工場に運ぶには、輸出手続きなどの手間がかかる。ATE基本コンフィギュレーションを使えば、その国に拠点を置くNIパートナーに依頼すれば、全く同じATEを構築できるようになる。

自動車や半導体向けテスト装置のシステムインテグレーターであるNOFFZ Technologiesが基調講演で示した、ATE基本コンフィギュレーションを使ったATEレイアウトの一例。NOFFZ Technologiesは、NIのアライアンスパートナーである(クリックで拡大)

 なお、計測器はNI製以外にも使うことができる。ただ、その際、「ラックへの組み入れは顧客自身が行うことになる」(NIの説明員)

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