2017年第2四半期の半導体売上高において、Samsung ElectronicsがIntelを抜いた。メモリ市場が好調だったことが主な要因だ。
Samsung Electronicsは、2017年第2四半期の世界半導体売上高ランキングにおいて、Intelを追い抜き、世界第1位を獲得した。少なくとも1四半期の間は、トップの座に君臨することになる。
Samsungは今週(2017年7月24日の週)、同社の半導体部門の2017年第2四半期における売上高が、17兆5800億ウォン(約1.7兆円)に達したと発表し、Intelが2017年7月27日(米国時間)に発表した148億米ドルを上回る結果となった。
アナリストたちは2017年初めごろから、Samsungが、2017年の世界半導体売上高ランキングにおいてIntelを追い抜き、第1位を獲得する可能性があると指摘していた。Intelは1992年以来、世界半導体売上高ランキングにおいてトップの座を維持し続けてきた。Samsungの主導のもと、現在著しい成長を遂げているメモリチップ市場は、論理チップメーカーよりも速いペースで、Samsungをはじめとするメモリメーカーの成長をけん引している。
米国の市場調査会社であるIC Insightsは2017年5月に、「2社の大手半導体メーカーが発表した2017年第2四半期の売上高予測を見ると、トップに立つメーカーが入れ替わる可能性がある」と指摘していた。
Samsungが世界半導体売上高ランキングにおいて、どれくらい長くトップの座を維持できるのかは不明だ。メモリチップ市場は、周期的に変動することで知られている。DRAMとフラッシュメモリチップの売上高成長が低迷し始めている中、アナリストたちは、「新しい製造工場が稼働し、中国の競合企業が新たに参入してくるようになると、メモリ市場は2018年後半から2019年に、減速し始めるとみられる」と予測している。
しかし、IC Insightsのプレジデントを務めるBill McClean氏は、EE Timesとの電子メールのやりとりの中で、「Samsungの年平均売上高成長率は、Intelよりも速いペースで伸びていくとみられることから、少なくとも近い将来、第1位の座をうまく維持していくことができるだろう」と指摘している。
McClean氏は、「Intelは、その企業規模と製品構成から、メモリ分野を除いた半導体市場全体の成長率と同程度となる、年間成長率5〜6%程度で伸びるのではないかとみられる。現在、DRAMメーカーはわずか3社しか残っておらず、Samsungが3D NANDフラッシュ市場において大きな強みを持っていることなどから、恐らくSamsungは、今後数年の間に、市場全体よりもわずかに速いスピードで成長を遂げていくとみられる。メモリ市場は現在も周期的に変動しているため、Samsungが売上高ランキングにおいて、再びIntelにトップの座を明け渡す可能性もあるが、長期的な動向としては、Samsungが第1位を獲得する確率が高いとみている」と分析している。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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