太陽誘電は展示会「CEATEC JAPAN 2017」(会期:2017年10月3〜6日)で、有線、電波に続く第3の無線通信手段と位置付ける“光無線通信技術”のデモ展示などを公開している。
太陽誘電は2017年10月3〜6日の会期で開催されている展示会「CEATEC JAPAN 2017」(会場:幕張メッセ)で、IoT(モノのインターネット)向けの無線通信技術やセンサー技術、カーエレクトロニクス向け電子部品技術などを公開している。
無線通信技術展示では、有線、電波に続く“第3の通信手段”として提案を行う独自の光無線通信技術のデモを公開している。同社の光無線通信技術の特長は、発光デバイスに市販されている一般的なLEDを用いる点。光ディスク事業で培ったノウハウをベースにしたLEDドライブ技術を駆使し、汎用LEDを用いて100Mビット/秒(bps)という4K解像度の映像をリアルタイム伝送できる通信速度を実現している。
通信距離は、「理論上、屋内であれば220mだが、220mの屋内テスト環境がなく、現状150m程度の距離で通信できることを確認している」(担当者)とし、太陽光の影響を受ける屋外でも100m程度の距離で通信可能だとする。通信に用いるLEDは、紫外から赤外までの波長であれば対応し、100Mbpsを実現可能。CEATECでは波長860nmで目に光が見えない赤外を発するLEDを用いたシステムで、監視カメラ用途向けの提案を行った。
光無線通信は、電波による無線通信同様、設置が簡単で低コストで導入できる。また電波のように干渉や混信を起こすこともない。ただ、光無線通信機間で、遮るものが一切なく、見通しの良い状況を作る必要があり、人が通らない高所などに設置場所が限られるという欠点があるのも事実だ。ただ、「1時間に300mmの大雨が降っても通信可能。霧には比較的弱く、視程25mの濃霧で通信が途切れてしまうが、一般的な気象環境では影響を受けない」とする。
なお太陽誘電の光無線通信システムは既に、大型リゾート施設の監視用途や、事務所から公道を隔てたところにある公衆トイレの監視用途などで導入されているという。
カーエレクトロニクス関連展示では、自動車1台当たりの搭載点数が3000個にも及ぶ積層セラミックコンデンサー(MLCC)をはじめ、インダクター、無線モジュールなど自動車向けデバイスを開発中の試作品も含めて展示。
MLCCでは、動作電圧900V(定格電圧1200V)で静電容量0.6μFを実現しフィルムコンデンサーやアルミ電解コンデンサーの置き換えを狙う大型電力コンデンサー(参考出品)や、このほど量産を開始した新製品で電気自動車などのスナバ回路などに向けた定格電圧最大2000Vの高耐圧積層セラミックコンデンサー「XMK432 B7472KY」などを展示した。
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