日立金属、ロームからSiC製造の一部を受託へ : ウエハー研磨工程
日立金属は2017年11月9日、ロームからSiC(炭化ケイ素)パワー半導体ウエハーの製造プロセスの一部(研磨工程)を受託する方針を明らかにした。
日立金属は2017年11月9日、ロームからSiC(炭化ケイ素)パワー半導体ウエハーの製造プロセスの一部を受託する予定だと発表した。
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日立金属は、これまで情報部品事業として、医療、通信、車載用途などに向けたセラミックス材料の開発、製造を実施してきた。今回、セラミックス材料で培ってきた製造技術を生かす形で、ロームからSiCパワー半導体ウエハーの一部製造工程として研磨工程を受託し、「情報部品事業の強化、拡大を図ることを検討する」(日立金属)という。製造は、情報部品の製造拠点である山崎工場(大阪府島本町)を活用する予定。
日立金属では「SiCパワー半導体は、現在主流となっているシリコン(Si)パワー半導体と比較して、インバーターやコンバーターなど電力変換器の損失を大幅に低減でき、電力変換器の小型・軽量化を実現することが可能。このため、送電システム、電車、電気自動車やハイブリッド電気自動車、産業機器など、さまざまな分野で今後の需要拡大が見込まれる。成長が期待される分野への集中により、情報部品事業の持続的成長を図っていく」としている。
パワーモジュール用高熱伝導窒化ケイ素基板開発
日立金属は2017年10月、電気自動車やハイブリッド自動車、産業機器などに搭載されるパワーモジュール向けの高熱伝導窒化ケイ素基板を開発した。高い熱伝導率と機械的特性を両立している。
高周波電力変換用ブロックコア、日立金属が開発
日立金属は、ナノ結晶軟磁性材料「ファインメット」および、アモルファス合金「Metglas」を用いて、100kW超級高周波電力変換用のブロックコアを開発した。高周波領域の変圧器において、より小型軽量化と電力変圧の高効率化を可能とする。
SiC技術、成熟期はすぐそこに――ローム
パワー半導体の展示会「PCIM Europe 2016」(2016年5月10〜12日、ドイツ・ニュルンベルク)で、ROHM SemiconductorはSiCパワーデバイスの製品群を展示した。コスト面ではシリコンに比べて不利なSiCだが、業界では6インチウエハーへの移行も始まっていて、低コスト化が進むと期待されている。
“後発・ローム”がパワーデバイスで成長できる理由
ロームはパワーMOSFETやIGBTなどのパワーデバイス分野で売り上げ規模を拡大させている。パワーデバイス市場では、後発のローム。なぜ、後発ながら、自動車や産業機器などの領域でビジネスを獲得できているのか。ローム役員に聞いた。
SiCだけではない、パワー製品群の展示に注力 ローム
ロームは、パワー半導体の展示会「PCIM Europe 2017」(2017年5月16〜18日、ドイツ・ニュルンベルク)にて、Si-IGBTやSiC-MOSFET向けゲートドライバーICなどを展示した。
SiCなど難加工材半導体向け研磨パッドを開発
帝人フロンティアは、次世代パワー半導体材料として期待されるSiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)の仕上げ加工を、高速かつ低コストで実現できる研磨パッドを開発した。
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