Texas Instruments(テキサス・インスツルメンツ/TI)は2017年11月13日、都内でFA(ファクトリーオートメーション)向け事業に関する説明会を開催した。
Texas Instruments(テキサス・インスツルメンツ/以下、TI)は2017年11月13日、都内でファクトリーオートメーション(FA)分野に向け事業に関する記者説明会を開催し、「業界最小」(TI)をうたうIO-LinkトランシーバーICなどを発表した。
TIの産業向け事業は、2016年実績で全社売上高133億7000万米ドルのうち、33%を占める。その主力事業である産業向けの中でも、スマートファクトリー化という世界的な流れを受けて、FA分野を成長領域の1つに掲げ事業強化を進めている。TIのファクトリ・オートメーション&コントロール部門を率いるMiro Adzan氏は、「TIの産業分野での強みは、豊富なアナログと組み込みプロセッサの品ぞろえと、幅広いアプリケーションに対する専門知識、2000種以上を数えるリファレンスデザインにある。現状、FA分野では、個々の顧客ごとに要件が異なる傾向が強くなり、製品寿命も短くなっている。リアルタイム制御や予防保全、システム間の互換性確保なども求められている。こうしたFA分野のトレンドに対し、TIの強みがより生きてくる」と語る。
また、Adzan氏は「現状、FAアーキテクチャは、5つの層からなる階層状になっていて、上位層に判断を委ねる形のアーキテクチャになっている。しかし、今後は、生産現場、ローカルの装置が自律的に判断を行うサイバーフィジカルシステム(CPS)ベースのアーキテクチャに変わってくる。新たなアーキテクチャではより多くのセンサーが必要になり、スマートなローカルプロセッシング、リアルタイム要件を満たした通信技術、標準化/互換性、スケーラビリティがより求められるようになる。そうしたニーズを満たす、製品、リファレンスデザインを提供していく」との方針を示す。
スマートファクトリー、将来のFA分野に向けて、強化を進めている製品の1つが、「産業界のUSBといえる標準的なインタフェースとなっている」(Adzan氏)というIO-Link向けの製品だ。既に13種のIO-Link関連リファレンスデザインを提供している他、「今後も、製品、リファレンスデザインを拡充していく」という。
記者説明会では、このほど発表した、IO-Link向け新製品「TIOL111」をアピール。TIOL111は、IO-LinkトランシーバーICで、2.5×3mmという小型サイズながらサージ保護機能を内蔵し、従来品に比べ、基板実装面積を20〜30%縮小できるICとなっている。TIでは、このTIOL111と、測温抵抗体(RTD)センサー、アナログフロントエンドICを組み合わせたリファレンスデザイン「TIDA-01335」も開発、提供している。
「産業用ネットワークについては、IO-Link以外にもサポートしていく」(Adzan氏)とし、イーサネットベースの産業用ネットワーク向けマイクロプロセッサ「Sitara」やBluetoothなどのワイヤレス向けICを拡充、展開するとした。
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