さて、今回の調査をしていく中で、ずっと気にかかっていたことが「8時間」という労働時間の基本単位です。私は「8時間」が、「長い」とも「短い」とも主張する意図はありません(というか、分かりません)が、その理由については知りたいと思いました。
調べてみた結果「8時間労働」という単位は、どうも歴史的な経緯によるもので、科学的、工学的アプローチから検証されている根拠は、ほとんどないようなのです。
労働時間を制限するという考え方は、産業革命時にさかのぼります。
劇的な工業化によって、成人男性はもちろん、子どもも女性も、死ぬほど働かされた(18時間労働もザラにあった)結果、労働者がボロボロ死んでいき、労働力の低下が社会問題になったことに端を発しています。
世界初の労働法は、19世紀の英国で「(労働者を)生かさず殺さず」のマインドから生まれました ―― そこにはヒューマニズムとか人権とかの考え方は、1mmも入っていません。
「人間らしい生き方」という概念が始めて入ってきたのは、1886年に米国シカゴで行われたストライキのスローガン「8時間は労働、8時間は休息、そして残り8時間は自分たちの自由な時間のために」からだといわれています。
8時間労働が妥当であるかどうかのフィールドテストも行われたそうですが、(私の調べた限り)これは随分古い実験のようで、しかも、人間の労働生産性がうんぬん、というよりは、当時の機械の連続稼働時間や、人間の血液検査などの生体系といった、かなり単純なものだったようです。
少なくとも、現在の労働環境に即した ―― 例えば、PCの利用を前提とした労働形態とか、メンタルヘルスの観点から導き出した ―― 「8時間」の根拠は見つけられませんでした。
さて、ここでいったんまとめます。
「時間外労働」とは、
ということになると思います。
そして、ここが重要なのですが「時間外労働」と「時短」は、本来関係ありません。法律違反の労働環境を法律違反でない状態にすることは「時短」ではなく、単なる「適法化」です。
ですから、
そこんところ、勘違いするなよ。会社の(特に労働法関係に無勉強(×不勉強)な)会社の社長や幹部クラスの輩(やから)
―― と、申し上げておきます。
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