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ドンキ“衝撃の1万円台PC”、影の立役者は中国製チップだった製品分解で探るアジアの新トレンド(23)(1/3 ページ)

ドン・キホーテがプライベートブランドのPCとして発売した「MUGA ストイックPC」。本体価格で1万9800円という衝撃の価格を、なぜ実現できたのか。その裏には、実力を伴った中国製チップの存在があった。

» 2017年12月11日 11時30分 公開

2万円を切る衝撃価格のPC

 2017年12月1日、ドン・キホーテから1万9800円(本体価格)のノートPC「MUGA ストイックPC」が発売された。今や1万円台のタブレットやネットブックは存在するが、いわゆるPCとして1万円台の製品は稀有(けう)な存在だ。仕様はメインメモリが2Gバイト、ストレージメモリが32Gバイトと若干少ないものの、セカンドPCとしての用途には適している。弊社では早速MUGAストイック PCを入手して分解、解析を行った。

 販売当日は開店前からドン・キホーテに出向いた。若干小雨の中でも既に複数の先客が開店前から並んでおり、開店直後に電気製品売り場に駆け込んだ。レジカウンターには瞬時に数名の列ができ、弊社は 2番目の入手となってしまうほどの状況であった。

 現在、ドン・キホーテやノジマ電気などがプライベートブランドで、4K対応で5万円のTVなど“激安”の家電を販売している。MUGA ストイックPCも、こうした激安家電の1製品になる。販売は店頭で行われ、販売当日にはほぼ完売になるほどの人気ぶりだ。弊社はこうしたプライベートブランドの製品もできる限り入手して分解・解析を行っている。

 今回入手したMUGAストイック PCは、14.1型IPSディスプレイを搭載したWindows10のノートPCである。上記のようにメモリサイズが若干小さいと感じられるが、一般用途ではさほど難はないスペックの製品である。

 箱を開けると電源アダプターと本体のみが梱包されている。本体はロゴマークなどもないシンプルなシェル形状だ。

 図1はサイドの端子、梱包箱の様子と、背面のカバーを取り外した状態とディスプレイのフレームを分離した様子である。全てプラスドライバーだけで分解できる。スマートフォンやタブレットのような噛み合わせ部位や特殊ドライバーを使ったものではないので、簡易に分解できてしまうのだ。

図1:「MUGA ストイックPC」の外箱や外観、分解の様子 出典:テカナリエレポート(クリックで拡大)

 内部には10000mAhという大容量の電池が2CELLで搭載されている。また右上部にメイン処理基板、左側にフレキシブル配線を通じてインタフェース基板が備わっている(インタフェース基板側にはチップは存在しない)。電池の下にはタッチパッドセンサーおよびセンサー制御チップが存在する。ディスプレイ側には30万画素のインカメラおよびカメラ制御用チップの基板、ディスプレイ制御(タイミングコントローラー)基板が搭載されている。半導体チップが搭載される基板としては4つとなる。カメラ、タッチパッド、ディスプレイとメインの処理基板だ。

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