ドン・キホーテがプライベートブランドのPCとして発売した「MUGA ストイックPC」。本体価格で1万9800円という衝撃の価格を、なぜ実現できたのか。その裏には、実力を伴った中国製チップの存在があった。
2017年12月1日、ドン・キホーテから1万9800円(本体価格)のノートPC「MUGA ストイックPC」が発売された。今や1万円台のタブレットやネットブックは存在するが、いわゆるPCとして1万円台の製品は稀有(けう)な存在だ。仕様はメインメモリが2Gバイト、ストレージメモリが32Gバイトと若干少ないものの、セカンドPCとしての用途には適している。弊社では早速MUGAストイック PCを入手して分解、解析を行った。
販売当日は開店前からドン・キホーテに出向いた。若干小雨の中でも既に複数の先客が開店前から並んでおり、開店直後に電気製品売り場に駆け込んだ。レジカウンターには瞬時に数名の列ができ、弊社は 2番目の入手となってしまうほどの状況であった。
現在、ドン・キホーテやノジマ電気などがプライベートブランドで、4K対応で5万円のTVなど“激安”の家電を販売している。MUGA ストイックPCも、こうした激安家電の1製品になる。販売は店頭で行われ、販売当日にはほぼ完売になるほどの人気ぶりだ。弊社はこうしたプライベートブランドの製品もできる限り入手して分解・解析を行っている。
今回入手したMUGAストイック PCは、14.1型IPSディスプレイを搭載したWindows10のノートPCである。上記のようにメモリサイズが若干小さいと感じられるが、一般用途ではさほど難はないスペックの製品である。
箱を開けると電源アダプターと本体のみが梱包されている。本体はロゴマークなどもないシンプルなシェル形状だ。
図1はサイドの端子、梱包箱の様子と、背面のカバーを取り外した状態とディスプレイのフレームを分離した様子である。全てプラスドライバーだけで分解できる。スマートフォンやタブレットのような噛み合わせ部位や特殊ドライバーを使ったものではないので、簡易に分解できてしまうのだ。
内部には10000mAhという大容量の電池が2CELLで搭載されている。また右上部にメイン処理基板、左側にフレキシブル配線を通じてインタフェース基板が備わっている(インタフェース基板側にはチップは存在しない)。電池の下にはタッチパッドセンサーおよびセンサー制御チップが存在する。ディスプレイ側には30万画素のインカメラおよびカメラ制御用チップの基板、ディスプレイ制御(タイミングコントローラー)基板が搭載されている。半導体チップが搭載される基板としては4つとなる。カメラ、タッチパッド、ディスプレイとメインの処理基板だ。
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