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SiC素材を同時に40枚加工、放電スライス装置専用の高周波電源を開発

三菱電機は、「SEMICON Japan 2017」で、SiC(炭化ケイ素)インゴッドをウエハースライス加工するためのマルチワイヤー放電スライス加工機を紹介した。

» 2017年12月25日 09時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

加工による素材ロスを低減、収量が向上

 三菱電機は、「SEMICON Japan 2017」(2017年12月13〜15日、東京ビッグサイト)で、SiC(炭化ケイ素)インゴッドをウエハースライス加工するためのマルチワイヤー放電スライス加工機を紹介した。2018年春にも製品化の予定である。

SiCのスライス加工例と、加工に用いたマルチワイヤー放電スライス加工機のイメージ

 同社は、部品加工から極めて高い精度が要求される金型加工まで、さまざまなニーズに対応するワイヤー放電加工機を用意している。今回は、これらの技術をベースに、SiCのスライス加工に適した専用の高周波電源を開発し搭載した。GaN(窒化ガリウム)素材への対応も可能である。

 新製品は、直径0.1mmの細線ワイヤー電極を用いて、高硬度のSiCインゴッドを最大40カ所まで同時にスライス加工することが可能である。各ワイヤー電極への給電部はそれぞれ電気的に独立した構造となっており、同時に均一なエネルギーで加工することができるという。

 4インチの単結晶SiCをスライスする場合、その加工時間は約10時間。加工による素材ロスは180μmと少なく、従来の接触式加工に比べると収量が増える。ワイヤーコストも安価で、排液処理なども不要だという。

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