Xilinxは、「オートモーティブ ワールド 2018」で、先進運転支援システム(ADAS)や自動運転システムに向けたソリューションを提案した。
Xilinx(ザイリンクス)は、「オートモーティブ ワールド 2018」(2018年1月17〜19日、東京ビッグサイト)で、先進運転支援システム(ADAS)や自動運転システムを実現するためのAll Programmable製品とその開発環境を、エコシステムパートナーと連携して紹介した。
その1つが、同社のプレミアデザインサービスパートナーであるOKIアイディエスとアヴネットが共同開発した自動運転開発ボード「UltraZ AD」。A4サイズのボード上にはザイリンクス製の「Zynq UltraScale+MPSoC」(XCZU11-2FFVF1517E)が2個実装されており、物体認識や空間認識、経路探索のアルゴリズムなどを実装することができる。このプラットフォームを用いて、実車での自動運転評価などを容易に行うことが可能である。
ザイリンクスは、ADASや自動運転システムの実現に向けて、4つの対応すべき技術トレンドを挙げた。「遠距離と広範囲の認識」「暗部や悪天候時での認識」「少ない電力で高い認識率」そして「高い安全性の担保」である。
これらを解決するためには、最大1km先を180度の範囲で見通せるフロントセンシングカメラの映像入力用超高速インタフェース技術、ライダー(LiDAR)など最新センサーフュージョンシステムに対応できる処理能力、ディープニューラルネットワーク(DNN)が実装可能なコンピューティングパワー、そして機能安全への対応、などが必須だという。
自動車向け機能安全規格「ISO 26262 ASIL-C」の認証を取得したヘテロジニアス構成のZynq UltraScale+MPSoCと開発ツールを用いることで、米国の自動車技術者協会(SAE)が定めた自動運転のレベル4〜5に準拠するフェイルセーフ機能を実現するシステムの開発が可能になるという。
この他、Deephi Techは、Zynq UltraScale+MPSoCを用い、物体検出アルゴリズム(SSD:Single Shot MultiBox Detector)による車両検出の模様を映像で紹介した。「Deep Compression」技術を用いることで、12チャネルの入力画像から、高精度かつリアルタイムに車両検出を行うことができるという。さらにブースでは、検出用チップを内蔵したカメラを設置し、人物の顔を認識するデモなどを行った。
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