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5G向け製品が百花繚乱、実用化に近い形で展示MWC 2018(2/2 ページ)

» 2018年03月19日 11時30分 公開
[Junko YoshidaEE Times]
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テストにも課題が

 Keysight TechnologiesのGriffin氏は、「5Gミリ波の課題としては、テストの中でさらなる予期せぬ問題が生じるという点がある」と指摘する。同氏が言う「テスト」には、最終的な5Gシステムだけでなく、RF ICのテストも含まれる。

 5G向けミリ波アーキテクチャでは、アンテナとRF ICが密に集積されているので、RF ICの性能試験では、デザインインのかなり前の段階からOTA(Over The Air)でテストを実施する必要が出てくる。こうしたテストは、これまで1度も行われたことがない。

 Griffin氏は、「ミリ波の新しい点としては、ビームフォーミングとビームステアリングも挙げられる。これらもまた、5Gの試験を複雑化させることになるだろう」と指摘した。

 同社は、5G対応チップの開発者向けにOTAのテスト装置を展示した。ミリ波の電波を生成し、伝搬環境をテストするというものだ。

Keysight Technologiesは、5G対応チップのテスト環境を展示した

スマホの“持ち方”すら影響?

 5Gスマートフォンを手掛けるメーカー各社は、消費者のスマートフォンの持ち方が実にさまざまに異なるという点を注視している。ミリ波の電波は、障害物による影響を受けやすいため、人間の手や頭部、鼻などが、知らず知らずのうちに信号の受信を妨げている可能性があるのだ。

 スマートフォンでミリ波信号を受信するためには、アンテナアレイ素子が必要になる。MediaTekは今回の試作品で、2×8の素子を2ブロック、配列した。アンテナアレイは大きいほど受信感度は高くなるが、スマートフォンに搭載されているバッテリーと、スペースを取り合うことになるだろう。

MediaTekは、2×8のアンテナアレイを配置した
Huweiは5G対応モデムチップ「Balong 5G01」を展示した(写真右)。同社によれば、複数の用途い対応すべく、サブ6GHz帯とミリ波をサポートするという

 「MWC 2017」では、5Gで考えられるユースケースについての議論が多かった。Qualcommは今回のMWCで、5Gの実証実験結果を展示した。Qualcommは、ドイツ・フランクフルトと米国カリフォルニア州サンフランシスコで行った実証実験をデモしていた。サンフランシスコの実証実験では、28GHz(帯域幅は800MHz)を使用し、1.5Gビット/秒(bps)の通信速度を実現していた。4Gでは、71Mbpsだった。

Qualcommは、5Gの実証実験結果を展示した
5G(第5世代移動通信)特集

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