5G向け製品が百花繚乱、実用化に近い形で展示 : MWC 2018 (2/2 ページ)
Keysight TechnologiesのGriffin氏は、「5Gミリ波の課題としては、テストの中でさらなる予期せぬ問題が生じるという点がある」と指摘する。同氏が言う「テスト」には、最終的な5Gシステムだけでなく、RF ICのテストも含まれる。
5G向けミリ波アーキテクチャでは、アンテナとRF ICが密に集積されているので、RF ICの性能試験では、デザインインのかなり前の段階からOTA(Over The Air)でテストを実施する必要が出てくる。こうしたテストは、これまで1度も行われたことがない。
Griffin氏は、「ミリ波の新しい点としては、ビームフォーミングとビームステアリングも挙げられる。これらもまた、5Gの試験を複雑化させることになるだろう」と指摘した。
同社は、5G対応チップの開発者向けにOTAのテスト装置を展示した。ミリ波の電波を生成し、伝搬環境をテストするというものだ。
Keysight Technologiesは、5G対応チップのテスト環境を展示した
5Gスマートフォンを手掛けるメーカー各社は、消費者のスマートフォンの持ち方が実にさまざまに異なるという点を注視している。ミリ波の電波は、障害物による影響を受けやすいため、人間の手や頭部、鼻などが、知らず知らずのうちに信号の受信を妨げている可能性があるのだ。
スマートフォンでミリ波信号を受信するためには、アンテナアレイ素子が必要になる。MediaTekは今回の試作品で、2×8の素子を2ブロック、配列した。アンテナアレイは大きいほど受信感度は高くなるが、スマートフォンに搭載されているバッテリーと、スペースを取り合うことになるだろう。
MediaTekは、2×8のアンテナアレイを配置した
Huweiは5G対応モデムチップ「Balong 5G01」を展示した(写真右)。同社によれば、複数の用途い対応すべく、サブ6GHz帯とミリ波をサポートするという
「MWC 2017」では、5Gで考えられるユースケースについての議論が多かった。Qualcommは今回のMWCで、5Gの実証実験結果を展示した。Qualcommは、ドイツ・フランクフルトと米国カリフォルニア州サンフランシスコで行った実証実験をデモしていた。サンフランシスコの実証実験では、28GHz(帯域幅は800MHz)を使用し、1.5Gビット/秒(bps)の通信速度を実現していた。4Gでは、71Mbpsだった。
Qualcommは、5Gの実証実験結果を展示した
>>↑↑↑特集ページはコチラから↑↑↑<<
低周波数帯を使う5G、最後の砦は「波形をいじる」
5G(第5世代移動通信)向けの技術では、ミリ波の研究成果が目立つが、低周波数帯もLTEに引き続き重要になる。ただ、特に6GHz帯以下は逼迫(ひっぱく)していて、とにかく周波数がない。京都大学では、低周波数帯において周波数の利用効率を上げる新しい変調方式を開発している。
「有線技術なくして5Gは実現できない」 ノキア
5G(第5世代移動通信)の開発に取り組むNokia(ノキア)。ミリ波やMassive MIMOなど無線ネットワーク技術が重視されがちだが、ノキアは、固定ネットワーク技術の進化なくして5Gの実現はないと強調する。
AI+5G+IoTの融合、具体的に見え始めたCES 2018
情報通信総合研究所は2018年1月31日、東京都内で「CES 2018」を振り返る勉強会を報道機関向けに行った。今回のCESは、5G(第5世代移動通信)、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)が融合したサービスが、より具現化されて見え始めた展示会だったという。
5Gの出発点、知っておきたい「フェーズ1」の基本
5G(第5世代移動通信)は実用化のスケジュールが非常にタイトなため、規格策定の計画が段階的に組まれている。まずは2017年12月に、フェーズ1の策定が完了する予定だ。これを機に、フェーズ1で取り扱われる「5G NSA(Non Stand Alone)」やミリ波について、知っておきたい基本事項を整理してみよう。
5Gなどに対応、ルネサスが直接変調型LDを開発
ルネサス エレクトロニクスは、次世代移動通信やIoTネットワーク機器に向けた、直接変調型レーザーダイオード「RV2X6376A」シリーズを発表した。
IntelがBroadcomの買収を検討か
米Wall Street Journalの報道によると、IntelがBroadcomの買収を検討しているという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.