商用ドローン事業に力を入れるIntel。日本でも間もなく、商用ドローンの事業の展開を開始するという。
Intelがドローンサービスの提供を間もなく日本でも開始する。同社の日本法人インテルは2018年3月22日に東京都内で記者説明会を開催し、Intelのドローン事業について戦略などを含めて説明した。
Intelのドローン事業部でマーケティング責任者を務めるCindy Ng(シンディー・ウン)氏は、提供を開始する時期こそ明確にはしなかったものの、「日本で認証を取得するための最終調整を行っているさなか」だと説明し、うまくいけば今後1カ月以内には取得できる見込みがあるとした。
価格などの詳細は「明かせない」(Ng氏)としたが、日本でドローン事業を展開する際は、パートナーの選択が重要になると強調し、どのようなサービスプロバイダーと組むのが適切なのかを検討していくとする。Intelは、日本のドローン市場について、2018年には8億4000万ドル、2022年は20億ドルを超える規模になるという予測を紹介。太陽光発電のパネルの検査や農作物の検査などの分野に注力するとした。
Intelが商用ドローン「Falcon 8+」を発表したのは、2016年10月のことだ。同年の1月にはドイツのドローンメーカーAscending Technologiesを買収しており、Ascending Technologiesの技術を基にFalcon 8+を開発した。
Ng氏は、ドローン事業を「Intelがチップカンパニーではなくデータカンパニーであることを象徴するような事業」だと位置付ける。「ドローン1機が、1枚当たり30Mバイトの画像を300〜500枚取得すると仮定すると、ドローンを飛行させる台数によっては、1日当たりのデータ生成量が十数テラバイトに達する場合もある」と、相当のデータが生成されると強調した。
Intelは、ドローン、フライト計画を自動化するソフトウェア「MISSION CONTROL」、データ分析や報告を行うソフトウェア「INSIGHT PLATFORM」を、プラットフォームとして提供する。
Intelがドローン事業で注力するのは、建設、公共事業、農業、石油/ガスの4つの分野である。Ng氏は、建設分野でIntelのドローンが使われている事例として、ドイツにある15世紀に建設された大聖堂の保全プロジェクトを紹介した。ドローンによって大聖堂の天井や屋根を点検することで、足場を組む時間やコストを削減できる。
Intelはドローンをエンターテインメント向けで活用する取り組みにも力を入れている。2018年2月に開催されたピョンチャン冬季五輪の開会式では、1218機のドローンを飛行させ、話題を呼んだ。
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