フル充電の状態で腕から外した場合、約数カ月間は時計として動き続けるという。Boukai氏は、「MATRIX PowerWatchを装着している間は、体温によって常に充電されている状態なので、使い方によっては、内蔵のリチウムイオン電池は10年以上、もつのではないか」と述べた。
デモで使用した基板。「TOUCH」と書いてある白い部分の下にTEGがある。その上部のチップ(赤枠内)がASIC。MATRIX Industriesは、TEGとASICを搭載した評価基板も提供している (クリックで拡大)MATRIX Industriesは、Boukai氏とTham氏により、米国カリフォルニア州シリコンバレーの材質化学会社として2011年に設立された。Boukai氏は、同社がスマートウォッチメーカーではないことを強調し、同社の熱電変換の技術は、他のIoT(モノのインターネット)機器などにも転用できると述べた。ビジネスモデルとしては、TEGとASICをハードウェアとして提供する場合と、熱設計の部分も含め技術IP(Intellectual Property)として提供する場合の両方があるという。
日本市場への参入にも積極的だ。MATRIX Industriesは、MATRIX PowerWatchを販売に向け、米国のクラウドファンディングサービス「Indiegogo」で資金調達を開始し、わずか1年で目標金額の1000%を達成した。実はその時の資金調達先は、日本は米国に次いで2番目だったという。Boukai氏は、「日本の消費者はMATRIX PowerWatchに非常に興味を持ってくれているのではないかと期待している」と述べる。
2018年1月には、EMS(エネルギーマネジメント)事業やIoTソリューション事業を手掛けるMTESと業務提携を行った。MTESが開発するIoT機器に、MATRIX Industriesの温度差発電技術を搭載する。
さらに、温泉を利用した発電システムなども検討しているという。「大きな規模の温泉であれば、1つの温泉から10kW以上発電できる可能性がある。旅館1軒分の発電量をまかなえるのではないか」(Boukai氏)
磁気センサーの“異端児”がウェアラブルを変える
“人の目を超える”、UWBを使った3Dセンサー
スマートロックAkerunは“飲み会”から生まれた
富士通の居眠り検知センサー、なぜ耳たぶなのか
中国スマホメーカー、模倣からの脱却
グンゼ、着るウェアラブル普及の鍵は「心地よさ」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
記事ランキング