横河計測は「TECHNO-FRONTIER 2018(テクノフロンティア2018)」で、より高効率のモーター開発を支援する最新の計測器を展示した。±0.04%の電力基本確度を持つパワーアナライザーや、SiCインバーター回路の測定など向けに、多点測定が行えるアナログ8チャンネルオシロ、CAN FD信号からアナログ信号をリアルタイムでデコードできる新モジュールなどが並んだ。
横河計測は「TECHNO-FRONTIER 2018(テクノフロンティア2018)」(2018年4月18〜20日、幕張メッセ)で、「モーター制御の高精度化、高効率化に貢献できる計測ソリューション」をテーマに、パワーアナライザー、多チャンネルオシロスコープ、スコープコーダなどを展示した。
パワーアナライザー「WT3000E」は、±0.04%の電力基本確度を持つ高精度のパワーアナライザーだ。横河計測の説明担当者は「さらなる高効率のモーターを開発するには、いかに正しく損失を測定できるかが鍵になる」と説明し、WT3000Eの重要さを強調した。デモでは、SiCパワーデバイスを用いたインバーター(SiCインバーター)の電流および電圧を測定した。
インバーターやIPM(Intelligent Power Module)、制御回路の開発に必要とされる多チャンネル同時測定向けとして、アナログ8チャンネルオシロスコープ「DLM4000」を展示した。デモでは、SiCインバーターの開発を想定した測定を行った。横河計測は「インバーター回路の多点測定では、これまで主流だった4チャンネルオシロスコープでは足りなくなってきている。DLM4000は、8チャンネルを備えているにもかかわらず、100万円台からと価格設定を抑えているのが特長の1つだ。他社の8チャンネル品には、300万〜500万円台という価格帯のものもある」と述べる。DLM4000は、500MHzのミドルレンジをターゲットにすることで価格を抑えた。DLM4000は、アナログ8チャンネルに加え、ロジックやCAN(Control Area Network)/CAN FDなどのプロトコル解析機能も備えている。DLM4000によって、例えばクルマのECU(電子制御ユニット)コントローラーにおいて、コントローラーの入出力信号とシリアルバス信号を同時に測定するなど、「ECUコントローラーを総合的に評価できるようになる」(同社)という。
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