また、パートナーを重視する同社の姿勢はIoT事業でも変わりはない。「完全なIoTソリューションを構築するため、シリコンからクラウドまでサポートする健全なパートナーシップ」(Patel氏)は、グローバルで80社を超えており、エコシステム全体では30万人以上の開発者より支持されていると同社は発表している。
この点に関して、会見に参加した記者から「ArmのIoT事業はどの企業が競合となるのか」という質問が出ると、Patel氏は「どの企業とも協力できる方法を見つける」と回答し、IoT事業へのオープンな姿勢を強調する。一方で、「事業が重なり合う部分がある会社もあるが、ArmのIoTデバイスマネジメントは他社と比較しても強みがある。真の意味でエンドツーエンドのセキュリティを実現するためには、シリコン(IPコア)レベルに至るまで課題解決する必要がある」と競合に対する優位性を語った。
Armにとって、日本は「先端テクノロジーのショーケース。IoTのサービス事業も日本から新たなトレンドができている」(アーム社長の内海弦氏)とみる。そこで、同社は「自動車やメディカルなど、日本の産業分野で強い領域のIoT化を最重要マーケットとして狙う。日本で(Arm IoTの)モデルケースを立ち上げ、他国に展開したい」(同氏)とする。
さらに、内海氏は「最近、Mbedで強化したポイントはほとんど日本の顧客から要望を受けて改良したもの。その一例としてゲートウェイ対応があるが、これは日本の重要なパートナーから出たフィードバックであり、日本市場の重要性を再認識した」と語り、日本市場への期待を見せた。
また、記者会見と同日に開催されていた「第7回 IoT/M2M展【春】」(2018年5月9〜11日、東京ビッグサイト)にも同社はブースを出展しており、多くの来場者がMbedの紹介展示や、Mbedを搭載するパートナー製品のデモに注目していた。
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