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AIベンチマークの作成に着手、EEMBC推論ジョブ向け

組み込み向けベンチマークテストの作成を手掛ける業界団体であるEEMBC(Embedded Microprocessor Benchmark Consortium)は、ネットワークエッジに設置されたデバイスで実行されるジョブのための機械学習ベンチマークを定義する取り組みを開始した。この取り組みは、先進運転支援システム(ADAS)に使用するチップ向けにEEMBCが2018年6月にリリースする別のベンチマークからのスピンアウトプロジェクトである。

» 2018年05月21日 15時30分 公開
[Rick MerrittEE Times]

 組み込み向けベンチマークテストの作成を手掛ける業界団体であるEEMBC(Embedded Microprocessor Benchmark Consortium)は、ネットワークエッジに設置されたデバイスで実行されるジョブのための機械学習ベンチマークを定義する取り組みを開始した。この取り組みは、先進運転支援システム(ADAS)に使用するチップ向けにEEMBCが2018年6月にリリースする別のベンチマークからのスピンアウトプロジェクトである。

 EEMBCが過去半年間で手掛けたニューラルネットワークジョブの性能測定に向けたベンチマークの作成は、このプロジェクトで少なくとも3件目となる。今回作成するのは、電力的な制約のある組み込みシステム向けチップに特化した初のAIベンチマークとなる。

 EEMBCの他にも、FacebookとBaiduが2018年4月に、データセンターのジョブトレーニング向けベンチマーク「ML Perf」を半導体メーカー各社と共同開発する発表した。また、トランザクション処理性能評議会(Transaction Processing Council/TPC)は2017年12月に、トレーニングに重点を置いたワーキンググループを設立するなど、AIベンチマーク作成の取り組みは盛んになっている。

 EEMBCのAIワーキンググループは主に、IoT(モノのインターネット)やその他の組み込みシステムのスマートスピーカーやノード、ゲートウェイ向けチップを対象としたベンチマークの作成を手掛けている。同ワーキンググループはこれまでに3回開催され、2019年6月までにベンチマークを発表する計画だという。これとは別のADAS向けベンチマークは、既に複数のユーザーの下でベータテストが実施されている。

 最近EEMBCのプレジデントに就任したPeter Torelli氏は、「ADAS向けベンチマークを構築していた時に、この非常に複雑な分野の学びを深めてきたエンジニアが、ニューラルネットワークにより関心を持っていることに気付いた」と語っている。

 これまでのところ、EEMBCのAIワーキンググループには、ARMやAnalog Devices、Intel、NVIDIA、NXP Semiconductors、Samsung Electronics、STMicroelectronics、Texas Instrumentsなどの組み込みプロセッサベンダーから十数人のメンバーが参加している。同ワーキンググループは、さまざまな種類のニューラルネットワークとユースケースに対応したベンチマークの作成を目指している。

 Torelli氏は、「同ベンチマークが機能するものであるかを確認するために、コンポーネントを選択するシステムインテグレーターやOEMからの情報を特に求めている。われわれはまた、どのネットワークアーキテクチャが重要で、エッジに移植できるのかについても把握する必要がある」と述べている。

 同ベンチマークでは、本来の推論性能だけでなく、ニューラルネットモデルのスピンアップ時間の計測にも対応する計画だという。同グループはまた、標準的な方法でタスクの電力効率を計測する方法を定義したいと考えているという。

 同イニシアティブは、動作モデルを使用して、ユーザーが最適化を最大化するためにどんなフレームワークやランタイムでも選択できるようしたいと考えている。メンバーは、同ベンチマークが低、中、高それぞれの複雑さのレベルのタスクに対応しているかどうかについても熟考しているという。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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