ソシオネクストは、「第7回 IoT/M2M展【春】」で、エッジコンピューティングによるAI(人工知能)推論システムや監視カメラソリューションを紹介した。
ソシオネクストは、「第7回 IoT/M2M展【春】」(2018年5月9〜11日、東京ビッグサイト)で、「インテリジェントなエッジコンピューティングが創造する未来」をテーマに、AI(人工知能)推論システムや監視カメラソリューション、8Kサイネージソリューションのデモ展示を行った。
同社は、米Gyrfalcon TechnologyとAI分野におけるソリューション開発で協業することを2017年12月に発表している。ソシオネクスト製のマルチコアプロセッサ「SynQuacer SC2A11」とGyrfalcon製のAIアクセラレーター技術を用いることで、画像の分析や認識、セグメンテーションなどを、極めて小さい電力消費で高速に実現することができるという。
ブースでは、SynQuacerを搭載したArm v8ネイティブのソフトウェア開発キット「SynQuacer Eシリーズ」を紹介。その応用事例として、エッジ向けAI推論システムを用いて、ネット上にある画像データを取り込み、その画像を認識するデモを行った。デモでは自動車や人、犬、花、ホテルなど学習済みの20パターンを用意した。このシステムは、画像認識における標準的な手法である「CNN(Convolutional Neural Network)」に特化した処理回路を実装しているという。これにより、極めて高速な処理を実現しつつ、電力消費やチップサイズを抑えた。
また、SynQuacer上で録画映像統合管理システムOS「Errai」を実行すると、最大60台までのカメラを接続できるという。Errai VMSと競合のGPGPUを組み合わせた400米ドル程度のサーバに比べて、接続可能なカメラの台数は約3倍も多い。配信ユーザー数はほぼ同等となる。
監視カメラソリューションのコーナーでは、模型の列車を走行させ、通過する列車の識別と、それに連動してポイントを切り替えるデモを行った。デモでは、走行中の列車を固定監視カメラで撮影。その映像はSynQuacerを搭載したIoTゲートウェイに転送する。ゲートウェイ側で列車を識別し、必要であればポイントを切り替えて、列車を引き込み線に誘導するよう制御し、列車を停止させる。
この際、現場の判断と制御はゲートウェイ側で行う。制御データのみをクラウド側のサーバに転送するため、映像を転送していた時に比べて、ネットワークの負荷を大幅に軽減することができる。この結果、制御をリアルタイムに、低遅延で実行することが可能になるという。
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