米トランプ政権の戦略担当メンバーが、半導体業界向け戦略として提示されている議案について、今回初めて検討を行うという。米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催中の「Semicon West」(2018年7月10〜12日)でパネル討論を行う。
米トランプ政権の戦略担当メンバーが、半導体業界向け戦略として提示されている議案について、今回初めて検討を行うという。ホワイトハウスや他の政府部門を代表する、5人の技術政策およびプロジェクト担当マネジャーたちで構成されるグループが、米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催中の「Semicon West」(2018年7月10〜12日)で、7月11日に行うパネル討論の中で、議案について検討する予定だ。
さまざまな機関の政府代表者たちこれまで、半導体戦略の策定に取り組んできたが、当初は2018年6月に予定されていたイベントで発表するつもりだった。しかし、ドラフト版の戦略に関する発表については、特に中国との間で、ZTEに対して米国企業の製品を販売しないとする米国関税計画および決議を受け、政治的な緊張が高まっていたために、延期されることになった。
半導体関連の業界団体は何年もの間、ワシントンD.C.に対して、中国国内で直面している知的財産権をめぐる問題への対処を求め、陳情を行ってきた。しかし、トランプ大統領が関税を課す計画を立てたことに対し、尻込みする傾向にあった。
トランプ政権のドラフト版の半導体戦略に関しては、業界全体をサポートする上で、マシンラーニング(機械学習)の導入から「Trusted Foundry(信頼できる工場) Program」*)認定取得の拡大に至るまで、幅広いコンセプトについて概略が説明される見込みだ。パネルディスカッションでは、議論の内容が主に技術関連の課題に限定される予定だが、現在の情勢を考慮すれば、貿易政策をはじめとするビジネス関連の課題にも対応すべきだとする圧力がかかるのは間違いないだろう。
*)米国国防省の戦略の一環で、防衛関連の用途で使用される電子部品の信頼性と安全性を示すもの。「Trusted Desing(信頼できる設計)」「Trusted Broker(信頼できる仲介業)」などもある。
パネルディスカッションの司会を務めるLloyd Whitman氏は、ホワイトハウスのアメリカ合衆国科学技術政策局(OSTP:Office of Science and Technology Policy)で、物理化学/エンジニアリング担当プリンシパルアシスタントディレクターを務める。同氏は、米国海軍研究所(Naval Research Laboratory)と米商務省の米国標準技術院(NIST:National Institute of Standards and Technology)において、20年以上にわたりシニアリサーチマネジャーを務めた後、オバマ政権下でOSTPに迎え入れられた。国家ナノテクノロジー戦略(National Nanotechnology Initiative)をサポートし、フォトニクスや3D(3次元)プリンタ、フレキシブルハイブリッドエレクトロニクスなどの分野を手掛ける研究センターの設立に携わった。
Whitman氏は、EE Timesとの電子メールのやりとりの中で、イベントに先立ち、パネルディスカッションに関する詳細について説明することを拒んでいる。パネリストは、米国の半導体戦略の策定をサポートするメンバーで構成され、以下の人物が含まれているようだ。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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