ルネサスは、SOTB技術を核とした超低消費電力化に向けた取り組みを3段階に分けて進めていく。まずはR7F0Eの市場投入、次にBluetooth Low Energy(BLE)などRF機能を組み合わせる。第3段階は、ルネサスが進める「e-AI(embeddded AI)」との融合だ。e-AIは、ルネサスが数年前から提唱してきた、エンドポイントの組み込み機器にインテリジェンスを搭載するコンセプトである。
SOTBデバイスでは、今回発表したR7F0Eを皮切りに、この3段階に沿って性能を向上させたデバイスの開発を進めていく。
Hannawald氏によれば、ルネサスはSOTB技術関連の売上高について、2021〜2022年には100億円規模を目指すという。「エナジーハーベストは、今後急速な成長が見込まれる市場である。SOTBはプロセス技術のブレークスルーだ。e-AI(embedded AI)とSOTBを組み合わせることで、市場を拡大できると確信している」(Hannawald氏)
なお、SOTBについては後日、詳細を報告する。
ブースでは、R7F0Eについて数種類のデモを展示した。まずは、リコーが開発した発電ゴムを使ったもの。シート状にした発電ゴムにボールを当て、その振動で発生したエネルギーによってR7F0EがMIP(メモリインピクセル)のディスプレイを駆動する様子を披露した。
ウェアラブル機器向けには、東レが開発した、脈拍を計測できる特殊繊維で作られた布と、太陽光発電を組み合わせ、脈拍を常時測定できるシステムを展示した。太陽光発電で得たエネルギーを使用し、布でセンシングした脈拍をディスプレイに表示している。
農業での活用を想定し、風力発電によって、センサーから得られたデータをLoRa WANで定期的に送信するデモも披露した。
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