ここ数週間で、過去2年間にわたるメモリチップ販売の増加に歯止めがかかる兆しが強まっていたが、米国のメモリメーカーであるMicron Technology(以下、Micron)も、不況の波が間近に迫っている兆候を示した。
ここ数週間で、過去2年間にわたるメモリチップ販売の増加に歯止めがかかる兆しが強まっていたが、米国のメモリメーカーであるMicron Technology(以下、Micron)も、不況の波が間近に迫っている兆候を示した。
Micronは2018年12月18日(現地時間)、同年11月29日を末日とする2019会計年度第1四半期の業績を発表した。それによると、売上高は79億1000万米ドルで、前年同期比では16%増だが、同年前期比では5%減となった。この業績は、ウォール街の最も低めな予測に沿うものだったが、Micronは需供のダイナミズムの鈍化によって、同四半期の売上高が大幅に下落することは見込んでいたとしている。
ただしMicronの幹部らは、こうした動きはごく短期的なものであり、2019年後半にはメモリの売上高は再び拡大基調に転じるとみている。一方で一部のメモリ市場観測筋は、メモリの鈍化がかなりの長期間続くと確信している。
Micronのプレジデント兼CEOであるSanjay Mehrotra氏は、決算発表後のカンファレンスコールの中で、悲観的な予測は主にサプライチェーンにおける在庫の供給過剰に関連するものであると、アナリストらに対して説明した。
Mehrotra氏は「われわれは現在、主に在庫調整と、モバイル需要の季節的な鈍化に起因する“エアポケット”の中を通っている」と述べた。
同氏は、Micronが現在、設備投資の削減を含むいくつかの原価管理対策に取り組んでいることに言及し、2019年がMicronにとって実りのある年になると見込んでいることを明らかにした。Mehotra氏は「健全なバランスシートと、過去数年間で経営モデルに対して行った構造改革によって、当社はこのような環境に打ち勝つことができる体力をつけている」と続けた。
だが、Objective Analysisの会長であるJim Handy氏は、Mehotra氏の見解について、「Mehotra氏は明らかにかなり強気の見方を維持している。同氏は、設備投資の削減の効果が2019年後半には現れると考えているようだが、私個人としては、設備投資対策による効果を得られるのは2年後というのが市場の通例だと理解している」と述べている。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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