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11万円台の4chオシロ、5万波形/秒の高速表示もキーサイトが発表

キーサイト・テクノロジー(以下、キーサイト)は2019年1月9日、デジタルオシロスコープ「InfiniiVision 1000Xシリーズ」に、新しく4チャンネルの品種「DSOX1204A」「DSOX1204G」を追加した。

» 2019年01月09日 09時30分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]

低価格帯の製品ラインに4チャンネルが登場

 キーサイト・テクノロジー(以下、キーサイト)は2019年1月9日、デジタルオシロスコープ「InfiniiVision 1000Xシリーズ」に、新しく4チャンネルの品種「DSOX1204A」「DSOX1204G」を追加した。

 InfiniiVisionは、「波形が見える/波形を見る」性能の実現に特に力を入れたオシロスコープのシリーズだ。その中で、InfiniiVision 1000Xシリーズは最も低価格のエントリークラスである。これまでは2チャンネルの機種のみだったが、「他の信号も見たいのでチャンネル数が足りないとの声が多かったため」(キーサイト)、今回4チャンネル品を発表したという。

「InfiniiVision」シリーズのラインアップ。「InfiniiVision 1000Xシリーズ」は既存のシリーズだが、2チャンネル品のみだった 出典:キーサイト(クリックで拡大)
今回発表した4チャンネルのInfiniiVision 1000Xシリーズの実機。2チャンネル品とサイズは変わらない(クリックで拡大)

 発表した2品種の帯域幅は70MHz、100MHz、200MHzをそろえている。サンプリング速度は2Gサンプル/秒で、メモリ長は1Mポイント。外部インタフェースとしてUSBとLANを備えている。チャンネル数以外で、2チャンネル品との大きな違いとしては、200MHzの帯域幅があることと、LANを備えていることが挙げられる。

 さらに、キーサイトが自社で開発したASIC「MegaZoom IV」(IVは第4世代の意味)を搭載していることにより、5万波形/秒の波形更新レートを実現し、アナログオシロのような高速波形表示が可能になっている。メモリ長やサンプリング速度の設定はオシロ側で自動的に行うので、ユーザーが設定する手間を省くことができる。

「MegaZoom IV」によって、高速波形表示が可能になる 出典:キーサイト(クリックで拡大)

 この他、InfiniiVisionシリーズに共通した特長として、1台に6つの主要機能が搭載される「6 in 1」も踏襲している。6つの機能は、オシロスコープ、プロトコル解析(オプション機能)、20MHzの波形発生器、電圧計・周波数カウンター、周波数解析(FFT)、周波数レスポンス解析である。このうち、波形発生器と周波数レスポンス解析は、DSOX1204Gのみに搭載される。

「6 in 1」の機能 出典:キーサイト(クリックで拡大)

 70MHz品の本体価格は、DSOX1204Aが11万9851円、DSOX1204Gが14万3062円となっている。

InfiniiVision 1000Xシリーズの仕様と価格 出典:キーサイト(クリックで拡大)

 2チャンネル品の主な用途は教育機関や電子工作だったが、4チャンネルになったことで、設計開発や研究開発はもちろん、製造ラインなどにも用途が広がるとキーサイトは述べる。「4チャンネル品が登場したことで、新しい顧客層を獲得できると考えている」(同社)

 キーサイトはDSOX1204A/DSOX1204Gの発売に伴い、イベントやワークショップを開催する予定だ。2019年1月中旬から3月末までは、DMM.make AKIBAとコラボレーションし、新製品を体験して記事を投稿するコンテストを開催する。2月下旬から3月下旬までは、DSOX1204A/DSOX1204Gを使って「Raspberry Pi(ラズパイ)」をデバッグするワークショップを開催するという。

ラズパイを使ってデバッグをしているデモ。写真の左にあるのは、「Raspberry Pi 3 Model B」を搭載した「Pi-Top CEED Pro」

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