その他、SRAMバッファでデータの書き込みおよびモディファイができる機能も追加した。SRAMバッファにある程度データが保存されると、1コマンドでフラッシュメモリアレイに移行することができる。これにより、フラッシュメモリのエンデュランス(書き換え回数)を節約し、消費電力を抑えることが可能になる。
Fusion HDには、バッテリーの充放電状態をモニタリングする「Battery Health Monitor」や、マイコンをリセットする「System Reset Generator」といった機能も搭載されている。このため、バッテリーモニタリング用や、マイコンリセット用の回路を用意する必要がなく、システム全体でBOM(Bill of Material)コストを低減できる。「われわれの調べでは、通常、こうした機能を搭載するためにチップを追加すると、10〜15米セントのコストが掛かる」(Hill氏)
Fusion HDは、まずは32Mビットからサンプル出荷を開始する。量産は2019年3月中に開始する予定だ。8Mビット品と16Mビット品は、2019年6月にサンプル出荷を、同年10月に量産出荷を開始する。4Mビット品は、同年11月に量産を開始する。
Hill氏は、Fusion HDのユースケースについて、「センサーとFusion HDを1つのモジュールに搭載した“センサーパック”などが可能なのではないか」と語る。「低消費電力のFusion HDならば、ひずみや温度、湿度、振動など、さまざまなセンサーパックを、建物や橋などに埋め込むような使い方もできるはずだ」(Hill氏)
Fusion HDの想定事例。IoTエッジデバイスとして、センサーとFusion HDを、1パッケージに搭載した“センサーパック”などが考えられるとHill氏は述べる 出典:Adesto(クリックで拡大)Adestoは、産業向けをメインに不揮発性メモリを提供しているメーカーだ。2018年には、アナログ/ミックスドシグナルとRF ASICを手掛けるアイルランドのS3 Semiconductorsと、産業機器のモニタリングや制御といった用途向けにネットワークプラットフォームを手掛けるEchelonを買収した。
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