2018年における半導体メーカー売上高ランキングで第4位、米国企業としてはIntelに次ぐ2位を獲得した、メモリメーカーのMicron Technology(以下、Micron)。同社で、Executive Vice President兼CBO(Chief Business Officer)を務めるSumit Sadana氏に、今後の投資予定や製品戦略などを聞いた。
2018年における半導体メーカー売上高ランキングで第4位、米国企業としてはIntelに次ぐ2位を獲得した、メモリメーカーのMicron Technology(以下、Micron)。2019年は、半導体市場、とりわけメモリ市場が厳しいと予測されている中、同社でExecutive Vice President兼CBO(Chief Business Officer)を務めるSumit Sadana氏に、今後の投資予定や製品戦略などを聞いた。
EE Times Japan(以下、EETJ) 2019年2月に開催された「MWC 2019」の印象と、同展示会で注目されたMicronの製品を教えてください。
Sumit Sadana氏 まずスマートフォンでは、Samsung Electronicsなどが折りたたみできる機種を展示していて、興味深かった。また、5G(第5世代移動通信)対応のスマートフォンも数多く展示され、やはり5Gが今後のモバイル機器市場をけん引していく要素であることを感じさせた。スマートフォンの買い替えを後押しする大きな要因となるだろう。加えて、NAND型フラッシュメモリとDRAMの両方において、大容量化を加速させる要素にもなると考えている。Micronにとっても追い風となると期待している。
新製品では、MWC 2019で、スマートフォンなど民生機器に向けて1TバイトのmicroSDカードを発表した。これほど小さなフォームファクターで1Tバイトというのは驚異的な容量だ。高解像度の動画などを扱うアプリケーションに対応したり、メモリの容量をすぐに増やしたりしたい場合に最適な製品だ。ユーザーに柔軟性を提供できる。1TバイトのmicroSDカードは民生向けを意識して大容量化に舵を切った製品。その他に、産業用として書き込みエンデュランスを強化したラインアップにも力を入れている。
EETJ Micronの現在の事業体制と、注力分野を教えてください。
Sadana氏 当社は現在、4つのビジネスユニットに分かれて事業を行っている。コンピュート、ストレージ、モバイル、組み込みだ。この中ではモバイルビジネスの成長率が最大となっている。組み込みでは、産業用、民生用、自動車用と幅広い分野を対象としている。自動車向けでは、2位を大きく引き離して世界シェアトップの座を獲得している。自動運転車の開発が進む中、Micronは優位性が極めて高いポジションにいると自負している。DRAM、NANDフラッシュ、NOR型フラッシュメモリ、次世代不揮発性メモリ「3D XPoint」と、製品ポートフォリオも豊富にそろえている。
EETJ 3D XPointもIntelと共同開発した技術ですが、2018年1月には、3D(3次元) NANDフラッシュの開発についてIntelとのパートナーシップを解消すると発表しました。
Sadana氏 当社とIntelの合弁フラッシュメモリ製造会社IM Flashについて、Intelの持ち株分をMicronが買い取る形で、パートナーシップを解消する。3D XPointメモリについては、今後は、両社がそれぞれ開発と製造を進めていくことになる。当社は、2019年後半に、3D XPointのサンプル出荷を開始する予定だ。
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