Lee氏は、ホイートストンブリッジの平衡条件を、PFC回路に応用することでEMIを低減できると主張する。下の図の右側に描かれているように、L3とL4の2つのインダクターをリターンパスに追加し、L1、L2のインダクターと結合することで、コモンモードノイズを低減できるという。
Lee氏らは、提案した全ての手法を用いて6.8kWのOBCを試作した。その結果、充電サイクルの全範囲において96%の効率を維持し、1回の充電サイクル当たり消費電力を40%低減することに成功したという
Lee氏は、とりわけインダクターをPCBに統合することを強調した。「人が手でコイルを巻くという作業がなくなれば、OBCなどのPCBの製造で、自動化できるプロセスも増えてくる。これは、電源の分野において大きなパラダイムシフトになるだろう」(同氏)
Lee氏は、冒頭に挙げた3つの課題を解決できれば、パワーエレクトロニクスに携わる企業にとってゲームチェンジャーになるだろうと述べ、講演を締めくくった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.