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Micronがメモリ減産へ、需要低迷を受け設備投資費も削減

米Micron Technology(以下、Micron)は、需要の低迷が続きメモリ市場が減速していることを受け、2019および2020会計年度の設備投資計画を縮小し、ウエハーの生産を削減すると発表した。

» 2019年07月01日 10時30分 公開
[Dylan McGrathEE Times]

 米Micron Technology(以下、Micron)は、需要の低迷が続きメモリ市場が減速していることを受け、2019および2020会計年度の設備投資計画を縮小し、ウエハーの生産を削減すると発表した。

 Micronは、2019年8月を末日とする2019会計年度の設備投資を約90億米ドルに削減すると発表した。年度初めに予定していた約105億米ドルから約10%の削減となる。また、2020会計年度の設備投資は、2019年度を「大きく下回る」との見通しを示した。

Micronのプレジデント兼CEOのSanjay Mehrotra氏(Micron広島工場新棟の開所式にて、2019年6月11日に撮影)

 Micronのプレジデント兼CEO(最高経営責任者)を務めるSanjay Mehrotra氏は、同社が以前に発表したDRAMウエハー生産量の5%削減を継続することも明らかにした。これによって、同社の2019年のビット供給量の成長率は、市場需要の増加率に近づく見通しだという。

 Micronはさらに、NAND型フラッシュメモリの生産量の削減量を5%から10%にすることも明らかにした。これにより、2019年後半には供給量の成長が低下する。NANDフラッシュでは、3D(3次元) NANDフラッシュへの移行によって供給量が加速度的に増加し、NANDフラッシュ市場全体で供給過剰の状態が続いているが、Mehrotra氏はアナリストとの電話会議で、「同市場は2019年後半に安定し始める」という楽観的な見通しを示した。

 Mehrotra氏は、「マクロ経済の不確実性の高まりとバランスシート上の在庫水準の増加を受け、DRAMとNANDフラッシュの生産量を管理するためにこうした戦略を断行する」と述べている。

Hauweiとの取引を一部再開

 Micronは、2019年5月にトランプ政権が決定した禁輸措置を受け中国のHuawei Technologiesへの製品出荷を停止していたが、過去2週間でその一部を再開したことを明らかにした。同社は、「出荷を再開したのは、トランプ政権による制裁の対象ではないと判断した製品だ」と説明している。

 Mehrotra氏は、「ただし、Huaweiの状況が非常に不透明であることに変わりないため、Huaweiに出荷できる製品の量や期間については予測できない」と述べている。

 設備投資やウエハー生産量の削減、Huaweiへの出荷再開は、Micronの2019年度第3四半期(2019年3〜5月期)の決算発表後に明らかにされた。同期は売上高と利益が大幅に減少したが、米ウォール街の予想は上回る結果となった。決算発表によると、同四半期の売上高は47億9000万米ドルで、前四半期比で18%減、前年同期比で39%減となった。

Micron広島工場の新棟

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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