セイコーインスツル(SII)は、リフローによる実装を可能としたマンガン−シリコン(MS)系リチウム二次電池2品種を開発した。
セイコーインスツル(SII)は2019年7月、リフローによる実装を可能としたマンガン−シリコン(MS)系リチウム二次電池2品種を開発したと発表した。従来のマンガン−リチウムアルミ合金(ML)系リチウム二次電池に比べ、高耐圧で高容量、優れた充放電サイクル特性を実現している。
新製品は、最大充電電圧が3.3V。公称容量は3.0mAhの「MS621R」と、1.5mAhの「MS421R」を用意した。内部インピーダンスはそれぞれ400Ωと600Ω。直径はMS621Rが6.8mm、MS421Rは4.8mmである。高さはいずれも2.1mmとなっている。動作可能な温度範囲は両製品とも−20〜60℃である。
サンプル出荷は、MS621Rが2019年8月より、MS421Rは2019年10月より、それぞれ始める。生産体制も整えて2019年秋より量産に入る計画だ。
リチウム二次電池は、リアルタイムクロック(時計機能)のバックアップ電源やデータ保持用の電源として用いられている。ただ、リフロー実装に対応可能な小型二次電池となると、同社ではこれまでML系リチウム二次電池しかなかった。
新開発のMS系リチウム二次電池は、これまでのML系リチウム二次電池に比べて、高耐圧で容量は3倍も大きく、充放電を繰り返しても容量劣化の少ない製品でありながら、基板への自動実装および、リフロー式はんだ付けを可能にした製品である。
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