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村田製作所、車載向けMLCCが好調で純利益20.1%増スマホ向け樹脂多層基板も増加(2/2 ページ)

» 2019年08月02日 09時30分 公開
[永山準EE Times Japan]
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スマホの減速響くも、MLCCが車載向けに堅調

 2019年度第1四半期の製品分野別売上高は、「コンデンサー分野」で、主力のMLCCがスマートフォン向けは低調だった一方で、自動車の電装化に伴う車載向け需要が好調で、前年同期比8.9%増の1377億円となった。

 ただ、スマートフォンの需要が低迷するなか、「圧電製品分野」では、スマートフォン向け表面波フィルターの減少や値下げの進展によって、同17.4%減の314億円、「その他コンポーネント分野」でも、リチウムイオン二次電池がタブレットPC向けに伸長したものの、スマートフォン向けコネクターやサーミスタが低調で、同1.5%減の924億円となった。

 「モジュール分野」では、スマートフォン向け近距離無線通信モジュールは減少したものの、ハイエンドスマートフォン向けに樹脂多層基板が大きく伸長し、同10.1%増の952億円となった。スマートフォン向けの樹脂多層基板の増加は、主に従来モデル向けといい、南出氏は、「新モデル向けの部品については、第2四半期以降の伸びていくと考えている」と話していた。

製品別の売上高(クリックで拡大)出典:村田製作所

5Gへの期待にも言及

 また、実用化に向けて開発が進む5G(第5世代移動通信)について、南出氏は、現時点では業績、操業度には大きな影響はないとしつつ、「2021年度ごろに大きなインパクトを持つと考えている」と説明した。

 5Gの実用化によって、MLCCやノイズフィルターなど端末1台当たりの搭載数量の増加や、小型基地局を多数設置することによる部品の需要増が見込まれることから、南出氏は、「4Gまでとは一段違った上がり方をする。ポジティブな影響があると考えている」と述べた。また、ミリ波への対応という点で、特に樹脂多層基板について「大きくビジネスの機会が増えると思っている」とも話した。

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