村田製作所、車載向けMLCCが好調で純利益20.1%増:スマホ向け樹脂多層基板も増加(2/2 ページ)
2019年度第1四半期の製品分野別売上高は、「コンデンサー分野」で、主力のMLCCがスマートフォン向けは低調だった一方で、自動車の電装化に伴う車載向け需要が好調で、前年同期比8.9%増の1377億円となった。
ただ、スマートフォンの需要が低迷するなか、「圧電製品分野」では、スマートフォン向け表面波フィルターの減少や値下げの進展によって、同17.4%減の314億円、「その他コンポーネント分野」でも、リチウムイオン二次電池がタブレットPC向けに伸長したものの、スマートフォン向けコネクターやサーミスタが低調で、同1.5%減の924億円となった。
「モジュール分野」では、スマートフォン向け近距離無線通信モジュールは減少したものの、ハイエンドスマートフォン向けに樹脂多層基板が大きく伸長し、同10.1%増の952億円となった。スマートフォン向けの樹脂多層基板の増加は、主に従来モデル向けといい、南出氏は、「新モデル向けの部品については、第2四半期以降の伸びていくと考えている」と話していた。
製品別の売上高(クリックで拡大)出典:村田製作所
また、実用化に向けて開発が進む5G(第5世代移動通信)について、南出氏は、現時点では業績、操業度には大きな影響はないとしつつ、「2021年度ごろに大きなインパクトを持つと考えている」と説明した。
5Gの実用化によって、MLCCやノイズフィルターなど端末1台当たりの搭載数量の増加や、小型基地局を多数設置することによる部品の需要増が見込まれることから、南出氏は、「4Gまでとは一段違った上がり方をする。ポジティブな影響があると考えている」と述べた。また、ミリ波への対応という点で、特に樹脂多層基板について「大きくビジネスの機会が増えると思っている」とも話した。
- 「世界最小」SAWデバイスを製品化、村田製作所
村田製作所は2019年7月16日、従来製品に比べサイズを24〜37%小型化したSAW(Surface Acoustic Wave/表面弾性波)デバイスを製品化し、量産を開始したと発表した。同社では、SAWデバイスとして「世界最小サイズを実現すると同時に、従来品と同等以上の特性を持つ」としている。
- IoTプラットフォーム向け通信モジュールを開発
ソフトバンクと村田製作所は、ソフトバンクのIoT(モノのインターネット)プラットフォームに対応する小型のLPWA(Low Power Wide Area)通信モジュールを共同開発した。
- 村田製作所、容量が大きい全固体電池を開発
村田製作所は、電池容量が最大25mAhと業界最高レベルの全固体電池を開発した。ウェアラブル機器やIoT(モノのインターネット)機器などの用途に向ける。
- MEMS市場世界ランキングトップ30社を発表、Yole
フランスの市場調査会社Yole Développementは6月10日(現地時間)、2018年の世界市場におけるMEMSメーカー、トップ30社のランキングを発表した。1位はBroadcom、2位はRobert Bosch(以下、Bosch)と前年同様の順位となっている。Yole Développementによると、2018年のMEMSメーカーのトップ30社の総売上高は103億米ドル以上(前年比成長率は約5%)だったといい、「2018年のMEMS市場全体の売上高116億米ドルの90%を、この30社が占めている」としている。
- 村田製作所18年度決算、過去最高売り上げを更新
村田製作所は2019年4月26日、2019年3月期(2018年度)通期決算を発表した。2018年度売上高は、幅広い用途でのコンデンサー需要の増加、2017年9月にソニーから買収したリチウムイオン二次電池事業の売上計上により、前年比14.8%増の1兆5750億円となった。
- Wi-Fiで1m以下の高精度測位、物流向けに村田が展示
村田製作所は「第8回IoT/M2M展」(2019年4月10〜12日、東京ビッグサイト)で、Wi-Fiを利用した新たな測位システムによる、物流倉庫での生産性、効率改善のソリューションを展示した。今回展示していた新たな測位システムは、これまでのWi-Fiを利用した測位システムに比べて10倍の精度向上を実現しているという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.