情報通信研究機構(NICT)ネットワークシステム研究所は、マルチコア光ファイバーと新開発の大規模光ノードを用いた光基幹ネットワークを試作し、毎秒1P(ペタ)ビットのスイッチング実験に成功した。
情報通信研究機構(NICT)ネットワークシステム研究所は2019年10月、マルチコア光ファイバーと新開発の大規模光ノードを用いた光基幹ネットワークを試作、毎秒1P(ペタ)ビットのスイッチング実験に成功したと発表した。このビットレートは8K放送の1000万チャネル分に相当する値だという。
マルチコア光ファイバーの研究成果としては、ペタビット級の伝送容量が報告されている。しかし、実際の光ネットワークは、光ノードや光増幅器といった通信機器を光ファイバーと接続して運用されるため、通信機器の大容量化も不可欠となる。
NICTは、損失が小さいMEMSスイッチ素子を用いた大規模光ノードを新たに開発した。この大規模光ノードと、これまで開発してきた3種類のマルチコア光ファイバーを接続し、ペタビット級の実験ネットワークを試作。そして4種類の光パスを用い4つのパターンでスイッチング実験を行い、全てのパターンでスイッチングに成功したという。
スイッチング実験の結果、今回開発した光基幹ネットワークは、現行の光ネットワークに比べて100倍以上の通信容量を実現できることが分かった。スイッチング後の光信号も高い品質を維持したまま伝送されていることを確認した。
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