増加する自動車へのECUの搭載量に対し、現在、分散処理型のシステムから1つのゲートウェイに集約する方式への移行の動きが進んでいるが、ルネサスは、セントラルECUに求められる要件に対応するとともに、同社のもつローエンドからハイエンドまでカバーする製品群を強みとして提案していくとしている。
電源に関しても、搭載されるハーネスの量が増加、複雑化しており、その軽量化および削減が課題となっている。従来はリレー、ヒューズからECUにそれぞれハーネスをつなげているが、今後はIntersilおよびIDTのIPD技術とのシナジーによってソリューションを強化。DCU(デジタルコントロールユニット)およびIPD(インテリジェントパワーデバイス)を介して階層化、助長化した電源ネットワーク構成に対応し、少ないハーネスで緻密な電力制御を実現するという。また、これによって部分的に特定のECUを起動させることが可能となり、省電力にもつながるとしている。
このように、自動運転やコネクテッドシステムの急速な技術革新の変化に対応するソリューションを世界中でスムーズに提供していく手段として、ルネサスはパートナー企業との連携を強調する。そして今回、企業が最適なパートナーを容易に選ぶことができるようにする新たな取り組みとして、「R-Carコンソーシアム・プロアクティブパートナープログラム」を開始した。
ルネサスは既に2005年から「R-Carコンソーシアム」を設立し、パートナー企業(現在252社)とともにソリューション提案を続けてきたが、規模の拡大に伴って「必要な情報にたどりつきにくい、またはシステム検証に必要なコンサルタントパートナーが明確になっていない、などの課題があった」という。今回の新プログラムはこの課題解決策であり、改めて55社をプロアクティブ(戦略)パートナーとして認定したうえで、そのパートナーが各ソリューションメニューごとにグループを作って開発、提供していくシステムを構築した。また、このパートナー企業の情報をデータベース化するとともに、新たな検索システムも開発、「より早く適切なパートナーとソリューションを見つけることができる」としている。
このプログラムのベースであるオープンプラットフォーム戦略では、これまで3500ユニットのスターターキットを出荷しており、世界中の顧客やパートナーが共通のシステム上でソフトウェアを開発しているといい、ルネサスは今後も、各種レファレンスキットの開発を進めていくとしている。
また、ルネサスはこの日、英Armが2019年10月に立ち上げた大手自動車メーカーやティア1、半導体メーカーらが参加するコンソーシアム「Autonomous Vehicle Computing Consortium(AVCC)」についても、参加に向けた手続きを進めていることも明かした。
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